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科学のために科学を科学的に笑うべし

論理はわが友 されど笑いはさらなる友

前の記事では視覚を遮断する実験を自分で構成してみましたが、
単に暗闇に居て何もしないと特段何事も起きないようです。
もっと積極的に、暗闇の中で何か普段の生活に近い活動をしてみるべきでしょう。


というわけで、暗闇体験エンターテインメントのダイアログ・イン・ザ・ダークに行ってきました。
生まれつき全盲の人のアテンド(ガイド誘導指導)のもと、
全く光のない空間で90分間過ごします。
何人かでグループになり、数々の活動をします。

お互いのコミュニケーションで、言語と声(声色)の重要度が断然上がります。

お金を出してお菓子やジュースを買うなんてこともしましたよ。
買ったものを暗闇の中で食べたり飲んだりします。

参加者の中には、とても怖いという感想を言っていた人もいましたが、
私自身は案外普通に過ごせるなと感じました。

発案者ハイネッケ博士インタビューから:
人は、最初やみの中に入ると、ショックを受け、不安になり立ちすくんでしまいます。全く違う環境に放り出されて恐怖を感じるわけです。人間はこうした不安や恐怖を打ち消そうと躍起になりがちなのですが、…
開始前に、同じグループの人とは顔合わせをしてあるのですが、
お互いの顔と名前や声を覚え切れていません。
なので、活動を通して覚えていくことになります。
呼び合うときなどに名前を使うわけですが、
名前と「顔」を結び付けようという習慣が脳内に染み込んでいるため、
頭の中で顔の情報を探して何も見つからず、なんとなく頼りない感覚を覚えます。

私は背が高いので、背が低い人から「声が上から聞こえる」と言われました。
なるほどね。

参加者から、台所等でどうやって物の種類を見分けるのかという質問がアテンドに出されました。
全盲のアテンドによると、ものの置き場所などは全てあらかじめ決めておくのだそうです。
当然それらを記憶しておくということなのでしょう。
スゴイな…と一瞬思いつつ、これも生活の中に組み込んでしまうと
(関係性のネットワークの中に対象物を入れて、重要度高いリンクを対象物に大量に張ると)
案外できるのかも(いややはり難しいのかも)と考えました。

かなり動き回ったのですが、暗闇の空間がどうなっているのが、
地図(空間のゲシュタルト)が全く作れませんでした。
壁があったとか、床がでこぼこだったところがあったいう情報が断片的にはあるのですが、
それらがどうつながっているのか関係がピンと来ないのです。
全体が広いのか狭いのかも、はっきりしません。


法令や安全性との関係で、こうしたイベントを商業ベースで行えるようになるまでには、
行政との調整等、相当のご苦労があったことでしょう。
実際、ドイツで始まったこの企画が日本で実現するまでには何年もかかっています。