今日、クライアントの方とお話ししていて、感情をコントロールするというフレーズが出てきました。
日頃、わたしたちはついつい「感情をコントロール」という言葉を使ってしまいます。
それは社会の中に次のような観念があるからだと思います。
「感情に振り回されるのは大人気ない(子供だ)」
「感情を制御できるのが好ましい」
「感情をあらわにするのはカッコ悪い」
「感情を自由にできるのが人として成熟している証拠」
などなどです。
一方で、ある程度心のことを勉強してきた人は、
「感情に蓋をする」ことや「感情を押さえつける」ことが好ましくないことは、なんとなくにせよわかっています。
でも、感情を抑えず野放しにしていると、やっぱり感情に振り回されるのでは?
一体どうすればいいのでしょう???
ということで、しばらく感情との付き合い方について、書いてみます。
まず、感情に関する大きな誤解その1です。
「感情は自分自身である」
自分自身というのは、「私が私と思っているもの」という意味で、自分の意識(以下、自意識といいいます)です。
自意識も感情も自分の心の一部であることは間違いないのですが、多くの人がそのことをもって両者を同一視しています。
だからこそ、「自分の一部なのに感情が思うようにならない」とか、「また感情に振り回されてしまった」などと言って、自分を責めるわけです。
しかし、自意識と感情は、心の異なる部分であることのほかにも実際に全く性質の違うものです。
また、感情は意識の都合だけで起きるものではありません。
これらに鑑みれば、自分(自意識)とは別物と思った方が、扱いやすいのです。
つまり、「感情は自分(自意識)ではない別個の自分」です。
いわば別人格なのですから、コントロールしようとしてもうまくいきません。
誰だって、上から目線で「私はあなたをコントロールする」なんて言われたら、めちゃくちゃ気分が悪いと思います。
感情との付き合いも同じだと思ってください。
続きます。