《デンタルダイヤモンド 7月号 発売  特集記事  〝 理想の歯科医院をデザインしよう〟掲載!》

【長文にご注意下さい(笑)】




歯科の現場で、先生、スタッフの皆さんとクレンリネスを進めて行く中、以前から感じていたことがありました。

清潔であることが大変重要な医療施設であるにも関わらず、それに応じた設計や素材選定が思ったより考慮されていないなあ・・・。

歯科の現場は、スタッフさんの行き来が非常に激しくフロアーは汚れやすい。

また、ほかの施設より汚れの原因となるものが多いため、様々な個所の日々の汚れをしっかり落とせていないと元に戻すのに大変な労力が必要になる、または回復不可能な状態になることもある。

歯科に精通したプロが現場の状況をしっかり把握し、医院作りの段階で、汚れにくい素材や清掃しやすい物を使われているとは思っていましたが、実際の現場では水に濡れる場所の壁に水分に弱い素材が使われていたり、きれいに維持したいフロアーにワックスが乗らない素材が使われていたりという状況を見ることが少なくありませんでした。

たった数年で傷んでしまうような事例も・・・。

きれいにキープするために使う労力と時間は歯科の現場では他の業種より大きい。

そこを解消するために私はクレンリネスを提案しているのですが、造りの段階から労力削減や、長持ちしムダな経費を使わなくする事はできるはずだと思います。

その他にも疑問に思うことがまだまだあり、数年前、歯科を手掛ける設計のプロの方にお話ししたことがあります。
その時、「フロアー材は何がいいのですか。」と聞かれました。

〝そこからじゃない・・・〟

現場ごとに様々な状況があり、それに対応可能な方向性も様々であるはず。

〝素材決定〟を、医院の方向性や使用環境の多様性を抜きにして最初に話題にする事が良い結果を生み出すはずがありません。

〝歯科医院〟をひとくくりにした発想からは、よい環境は生れない。

そんなことを何年か思い続け、いつか私たち『守る側』が、『作る側』のプロとしっかり手を組んでいける場を作れたらなと思っていました。

少しでも前に進めるため、自分にできる事として、今年から『クレンリネス設計コンサルティング』というメニューを作り、ご開業前の医院づくりの段階から、私が知る限りのご提案をしています。

月間デンタルダイヤモンド誌に連載を書かせて頂いていた一昨年前のある日、編集部の方に、誌上でそんな対談をさせて下さいと、ダメもとの気持ちで笑いながらお話ししたことがあります。

今年に入って、私の書籍の事で編集部を訪問した時に、そのテーマが対談形式で特集記事として実現するという事を聞かされました。

デンタルダイヤモンド誌の連載が終わる1年半前、「あの件、忘れてないですよ。」とおっしゃって下さった事をとてもうれしく思ったことを思い出しました。

覚えていて下さり、実現してくださる事が本当にありがたいです。

今回集まって下さった、それぞれのプロの方とは私は初対面でしたが、この事をしっかり受け止めて下さり、小さなことからでも実現していく方向性が生まれれば本当にうれしいです。

その為に私ができることは迷わず実行していきたいと思います。

また、この特集を読まれて、意気に感じて立ち上がるプロの方がいて下されば、大きな流れのための小さな第一歩を踏み出せると思います。