ザ・ビートルズ  アクロス・ザ・ユニバース | 半兵衛のブログ

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映画やドラマ好きなので映画やTVドラマのレビュー、ビートルズ関連の曲紹介や、古い洋楽ロック、気になるJポップスのレビューをしています。ペタは見ません、いいねを中心に訪問しています。

◆The Beatles Across the Universe

実は私のブログでは、ビートルズの曲の中で一番好きな曲をまだ紹介していません。
この曲も、かなり特別で、ベストソング中のひとつです。

なぜ、まだ紹介していないのかと言うと、完全な理解が出来なていないからです。
しかしながら、いつまでたっても、紹介できないのは残念なので、中途半端な理解ですがここで紹介したいと思います。

インド哲学や仏教などの東洋的な考え方に、影響を受けたジョンが瞑想をした時の世界を詩にしたと思われます。
そこで語られるのは、ジョンにとっての悟りの世界なのかもしれません。
この曲のすばらしさは、歌詞であることは誰もが認めるとおもいます。
瞑想をロックにする事は、ロック界では珍しく想像力あふれる試みであり、歌詞自体も大変優れており、詩人としてのジョン・レノンを語る上で重要な作品です。

座禅や瞑想は一般的には東洋的な方法で「俗に【真理】と呼ばれるものは、実は自分の心の中にあるのだ」という考え方に基づく仏教的な概念ですので、この歌詞は、西洋人よりは、日本人のほうがすんなりと理解することができると思われます。

◆発表の経過
この曲は、1968年2月4日に録音されており、1969年にWWF(世界自然保護基金)のチャリティ・アルバムの中の一曲として発表されましたが、一般的に知られているのは1970年5月に発表されたアルバム「レット・イット・ビー」に収録されたバージョンで、フィルスペクターが女声コーラス14名+オーケストラ36名のオーバーダブをいれました。ビートルズのアルバムの収録曲として発表されたのは、録音されてからなんと2年後になります。もしフィルスペクターが掘り起こしていなければどうなっていたのでしょう。

蛇足ですがインド修行(マハリシ)の影響を指摘する人もいますが、ジョンとジョージが、インドへの旅に出たのは同年2月16日です。

曲の一番の特徴は無拍子であることです。


◆半兵衛の解釈(現時点での)

たとえば 「 ぱん! 」と 手をたたきます。
その音は、空気を伝わって遠くに飛んでいきます
しかしながら、空気の抵抗で遠くに行くに従い徐々に小さくなって、
終いには消えてなくなります。
しかし、抵抗が無いものならどうでしょうか?

たとえば感情です
喜びや悲しみの感情や妄想などは確実にその人から発せられます
空気の抵抗などありませんから、その波はどこまでも遠くまでとんでいきます

ジョンが言いたいのはきっと
感情が言葉になって発せられると、それは、どこまでも飛んで行き、
やがては、この宇宙をも超えていく

人間だけがその感情のキャッチボールができ、
そしてその感情の発信源である人間は、
それぞれ祝福を受け、個性を持ち、
誰にも変えることができない唯一無二の存在である・・・


などど、瞑想していたのかもせれませんね
果たしてジョンは【真理】を見つけることができたのでしょうか?

ロマンチックというか・・・超越してるというか・・・
ジョンならではの視点ですね。

ジョンの作品であると同時にビートルズの作品でもあるわけですから、ビートルズは瞑想で真理を語ったとも言えるので、ここでも素晴らしい足跡を残すことができたと思えます。
絶えず新しい物を取り入れながら進化しつづけるビートルズらしい姿勢ですね。

ジョンのファンの特徴はジョンの投げたボールに答えや考え方など、曲のもつメッセージを見つけようとします。このボールはかなりの魔球です。いろいろな人が曲というメッセージを投げますが、悲しいことにメッセージの無い曲は、何をいいたいのかわからない曲=ノンポリシーという価値観になっしまいます。

「音楽のバイブレーションは、寝ている人の体の中にも入っていくような強い「動き」を持ったバイブレーションです。私たち人間が作った音楽は宇宙まで届くでしょう。」ヨーコ2010年9月13日

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  Across the Universe

                       作詞・作曲:レノン・マッカートニー


  言葉が溢れ出てきてきて
   まるで降りやまぬ雨のように紙コップの中に注いでいく 
    それらは、激しくずるずると滑りながら、宇宙を越えてゆく
     悲しみの水溜り、歓びの波が開かれた精神を通して漂い
      私を捕らえてやさしくつつみこむ

      Jai Guru Deva Om
      何者も、私の世界を変える事はできない
      何者も、私の世界を変える事はできない                  
      何者も、私の世界を変える事はできない
      何者も、私の世界を変える事はできない

  照破の御姿が100万の瞳のように私を誘う、 
   それらは私に何度も呼びかけながら 宇宙へと突き進んでゆく
    郵便受けの中で途切れない風のようにとりとめようのない妄想が湧き上がり
     それらはやみくもに転がりながら進んでゆきやがて宇宙を越えてゆく       

      Jai Guru Deva Om
      何者も、私の世界を変える事はできない
      何者も、私の世界を変える事はできない                  
      何者も、私の世界を変える事はできない
      何者も、私の世界を変える事はできない
 
  笑い声が生命の影となって鳴り響き
   開かれた心の目が 私をかきたてて手招きをする
    無限の愛がまるで100万の太陽みたいに私に降り注ぎ
     絶え間なく呼び続けながらやがて宇宙を越えてゆく

      Jai Guru Deva Om
      何者も、私の世界を変える事はできない
      何者も、私の世界を変える事はできない                  
      何者も、私の世界を変える事はできない
      何者も、私の世界を変える事はできない

  Jai guru deva
  Jai guru deva
  Jai guru deva
  Jai guru deva

                         訳詩:半兵衛       


※Images of broken light=照破の御姿 仏が智慧(ちえ)の光で無明の闇を照らし、真理をあらわにすること。 MAGICTRAIN Music Blogより

※Jai Guru Deva Om「我らが導師、神に勝利あれ」(神に感謝を)の意である。ウィキより
 
訳詩は意味を理解できていない部分が多いので、不完全な訳詩ですがおおむね満足できています。
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The Beatles Across the Universe



◆北極星へメッセージ
NASAが設立50周年を迎えることを記念して、2008年2月4日米東部時間午後7時(日本時間5日午前9時)に北極星へ向けてこの曲が発信された。
この日は、楽曲のレコーディングから40周年ということもあり、ポールは「NASAよくやった!異星人によろしく」と粋なメッセージをNASAに寄せた。
オノ・ヨーコも「何十億もの惑星と交信する新しい時代の始まりを感じる」と伝えたという。WIKIより。

しかしながら、宇宙人が難解なこの曲の歌詞を受け取っても、理解できるとは限らないですが、地球を代表(紹介)する曲として選ばれたわけですから名誉ですね。

Rufus Wainwright - Across The Universe

私の大好きな映画「アイ・アム・サム」の挿入歌です。
天才子役のダコダ・ファニングも出演しています。なかなかの出来のカヴァーです。


宇多田ヒカルのヴァージョン!

◆ジョン・レノンのインタビュー
「アクロス・ザ・ユニバースも好きです。私がこれまでにつくった歌詞の中で、最高のもののひとつだからです。じつは、これが最高なのかもしれません。とにかく、いい詩です。呼びかたはどうでもいいのですが、嚙みしめたり分析したり必要なしに、ひとつの詩としてそのまま独立して存在できるのです。メロディーなしで言葉として単独に存在できるものが、私は好きなのです。メロディを必要していないものが好きなのです。詩ですよ。読むことに耐える詩です。」1970年12月ヤーン・ウェナーのインタビューより。

「僕をベッドから引っ張り出した曲。書きたくて書いた曲じゃないんだ。ただ何かイラついたので、階下に降りていったんだ。曲を書き上げるまで、眠れなかった。書きとめてやっと寝られたんだ。偉大な曲をまねしたつまらない演奏さ。ぼくはこの曲にはなんども失望したね。ギターのキィは合っていないし、あの頃は精神的にがたがただったから、ぼくの歌も調子っぱずれなんだ。それなのに(メンバーの)誰も僕をサポートしたり、助けてくれたりしなかった。ポールの曲の時は時間をかけて細かいところまできれいにしていったのに、ぼくのになると、ルーズで気安い気分になっちゃって、「実験してみようじゃないか」という気分が、ふっとんじゃうんだ。
あれは潜在的なサポタージュだったにきまっている。ポールは、そんなばかな、きみだけの思い込みさ、と言うだろうけど、思い込みなんかじゃない。絶対にそうなんだ。だから、この曲をぼくはなんてことなしに「世界野生動物保護基金」にやっちゃったんだ。後になってフィル・スペクターが「レット・イット・ビー」のために堀りおこしてきたのさ。
(1980年プレイボーイ誌インタビューより)

半兵衛が考えるのは、ポールの「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」などは、メンバーが飽きるほどやらされたとジョージのインタビューにあるように、ポールは自分の作品にはとことんこだわりをみせますが、このような類まれなすぐれた歌詞にもかかわらず、ビートルズのほかのメンバーはそれを理解できる能力が無かったのだとおもいます。ジョンはおそらく、どうでもいいような曲に多くの時間が費やされ、自分の作品に対する無理解による軽視に対してフラストレーションがたまっていたのだとおもいます。事実、ビートルズとしては、1968年2月4日の一度しかレコーディングされておらず、その後何度オーバーダビングが繰り返されましたが、ジョンはその2月4日録音自体まったく気に入っていませんでした。

「僕をベッドから引っ張り出した曲」の部分は、ポールがイエスタディをつくった時は朝、目を覚ますとメロディーが浮かんできた・・この曲の詩は寝られず書き留めた・・・なんかふたりの天才は啓示をうけているようですね。

◆私の”この1曲”
当然”ACROSS THE UNIVERSE”さ。めちゃくちゃ好きな曲だ。だけどいちばんじゃない。全部がいちばんだからね。彼のやったことは、すべて好きなんだ。なぜジョンがそんなに特別なのかって?たた特別なのさ。彼はすばらしい。本物なんだ。byリアム・ギャラガー mojoより