ポール・マッカートニー エボニー・アンド・アイヴォリー | 半兵衛のブログ

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映画やドラマ好きなので映画やTVドラマのレビュー、ビートルズ関連の曲紹介や、古い洋楽ロック、気になるJポップスのレビューをしています。ペタは見ません、いいねを中心に訪問しています。

◆Ebony and Ivory エボニー・アンド・アイヴォリー

1982年発売曲で、アメリカ・イギリス・日本・ドイツ・ノルウェーでのヒットチャート1位を記録しました。演奏はポールとスティーヴィーワンダーが全て演奏しています。

◆人種差別の歌
ジョン・レノンの平和活動は誰もが知っての通りだと思いますが、ポールはポール流のやり方で、ピアノの鍵盤の白と黒にかけて、白人と黒人の人種差別の問題を投げかけています。しかもポピュラーソングとして、ヒットさせてしまうところがポールの才能ですね。

あまり人種差別の事などを考えずに聞けば素晴らしいポップソングだと思いますが歌詞の内容を見るかぎり、プロテストソングにしてはお粗末過ぎます。

ジョンとの比較になってしまいますが、ジョンの代表曲「イマジン」では、人間の争いの本質の原因が宗教であったり、人間の欲であったり、その歌詞の中で鋭く本質をついています。さらに、「女は世界の黒人(ニガー)か」という曲もあり内容もかなり踏み込んでいます。ニガーとは差別用語として黒人が嫌う言葉ですが、ジョンは堂々と虐げられた存在としてニガーという言葉を使っています。

こちらの曲の場合はかなり楽観的で当たり障りがなく深掘りされず、軽く人種差別の歌を作りました的な印象です。何故こんな半端な(歌詞)メッセージで曲を作る必要があるのだろうか?と疑問に感じます。更に言えば黒人だけが差別を受けているわけでは有りません。曲を売るために、人種差別問題をテイストとして盛り込んでいるような気がして、商売人としてのポールを感じさせてしまうのが残念です。デュエットの相手も、マイケル・ジャクソンやスティービー・ワンダーといったビックネームを選ぶところからもコマーシャル性は抜群で売る気満々な事がわかります。残念ながら歌詞からジョンとポールの差は明確に現れています。ファン層の違いも原因があるのかもしれませんね。

しかしながら、ビートルズの連中は人種差別が凄い時代でも、黒人音楽に酔いしれ、チャック・ベリーやリトル・リチャード、アーサー・アレキサンダーなどに影響され、白人として人種差別するどころか黒人の曲をリスペクトしているくらいでしたので、ポールは人種差別を非難する発言をできる立場の人物であることは間違いありません。

◆奴隷貿易の歴史
人種差別は日本ではあまり、切実に感じられない問題ですが、アメリカは人種のるつぼです。
そして、アメリカの黒人の歴史は、イギリス人(白人)がアメリカ大陸に移り住み、奴隷貿易により、1640年から1865年までアフリカから連れてこられて様々な重労働を強いられた人々なのです。しかも奴隷制度を法律化していました。つまり、黒人は白人の為の奴隷だったのです。

ポールはイギリス人ですので、一見傍観者と思われるかもしれませんが、イギリスの植民地ではほぼ奴隷制度をひいていましたので、アメリカはイギリスに見習った感じです。つまりイギリス人は加害者なのに「神様、何故、仲良く出来ないのだろう?」とこの曲で問いかけているのです。まったく失礼な話で神様はあきれかえっています。

◆軒先貸して母屋取られる
自由の国と呼ばれているアメリカですが、アメリカの先住民族インディアンは「レッドマン」と呼ばれ、戦争で捕虜になったら奴隷として使用される事は合法とされていました。
そして1890年12月ウンデッド・ニーの虐殺により、白人によるインディアン戦争は終結し推定1000万人いたインディアンは白人の直接・間接虐殺により実に95%が死に絶えました。白黒の問題以上に深刻な出来事で問答無用のアメリカン・バイオレンスです。

Q 「ああ神様、なぜ僕たちはそれができないのだろう?」ポール

A 人種差別は自由の国アメリカの血に塗られた歴史そのものだからです

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Ebony and Ivory
        作詞・作曲 ポール・マッカートニー


完璧なハーモニーの中、皆一緒に生きよう
僕のピアノの鍵盤のように左右に並んで
ああ神様、なぜ僕たちはそれができないのだろう?

僕たちは分かってるはずさ、
どこへ行こうとも、人間が皆同じだって事を
誰にでも、いいとことや悪いとこがある
僕たちは生きるために学び、
互いに与えるために学ぶ
必要なのは互いが一緒に生き抜くこと

エボニーとアイボリー
完璧なハーモニーの中、一緒に生きようよ
僕のピアノの鍵盤のように左右に並んで
ああ神様、なぜ僕たちはそれができないのか?

エボニーとアイボリー素晴らしいハーモニーの中で

生きるんだ
エボニーとアイボリー・・

僕たちは分かってるはずさ、
どこへ行こうとも、人間が皆同じだって事を
誰にでも、いいとことや悪いとこがある
僕たちは生きるために学び、
互いに与えるために学ぶ
必要なのは互いが一緒に生き抜くこと


エボニーとアイボリー
完璧なハーモニーの中、一緒に生きようよ
僕のピアノの鍵盤のように左右に並んで
ああ神様、なぜ僕たちはそれができないのか?
黒人と白人が一緒に生きることができたら
素晴らしいハーモニーが生まれるはずなのに・・

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Paul McCartney and Stevie Wonder - Ebony AndIvory (Live at the White House 2010)

2010年ポールマッカートニーがガーシュウィン賞(ポピュラー音楽で世界の文化に大きな影響を与えた作曲家・演奏家を表彰)を受賞しました。
ホワイトハウスの特設会場でオバマ大統領を前に演奏されたものです。


インタビュー映像