駅の2階ホームのエレベーターの裏の外の景色も見える角になっている場所で、深緑色のダブルのスーツを着たお父さんが、縁石に足を片方置き、立ちながら携帯で電話をしていた。


スピーカーから中年の女性のような声がした。お父さんは、主に相手の会話を聞いていたぽい感じ。その終わり頃に、その場に到着した私。


そしてお父さんがゆっくり喋り出した。


「お父さんはね、雨が降ると天が近くに降りてきてくれるって思うから嬉しいんだ。普通の人は雨は嫌だろうけどねって。お父さんは雨は嬉しい。」


相手の女性は相槌のような返事をした。


お父さんは、「じゃあ電車が来るから切るね。」と言って、白線に移動した。


聞き入ってしまった。

お父さんありがとうございます。