先進国の多くは、医療や年金、介護などで社会保険方式をとっていますが、社会保険料の本人負担と事業主負担はどうなっているのでしょうか。勤労者の年収に占める保険料率を、本人負担分と事業主負担分にわけて、国際比較してみましょう。
給与から天引きされる本人負担は、スウェーデン7.0%、フランス9.6%、ドイツ21.0%、日本10.9%となっています。一方、事業主負担分は、スウェーデン28.6%、フランス32.0%、ドイツ21.0%などと日本の11.3%と日本を大きく上回っています
財界は、消費税率を10%から18%に引き上げることを要求しています。そのねらいは、企業の税・社会保障負担を軽減することです。企業負担の軽減分は、国民が負担することになります。「日本の消費税率8%は、国際的にみれば低すぎる」「福祉先進国のスウェーデンの5分の1、欧州各国の4分の1」とよくいわれます。しかし、国税収入に占める消費税収入の割合をみると、約22%と、まったく同程度であることがわかります。
これは、日本の消費税が「網羅的」に課税されているのに対し、欧州各国の付加価値税は、①医療・教育から住宅取得・不動産・金融など幅広い非課税項目があること、②食料品や医薬品など、生活必需品は軽減税率をとっているためです。
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政府や与党のなかには、「社会保障の財源充実のために消費税増税を」という動きがあります。これ以上、消費税率を引き上げれば、国際的にみても「異常な国」となることは明らかです。
最近の年金制度改革のなかで、新たな2つの低年金・無年金対策(2015年9月末までの期間限定の保険料後納期間を10年に延長する措置、年金を受給するための加入期間を25年から10年に短縮)がつくられました。
しかし受給期間の短縮措置によって必要となる新たな支出は、消費税増税分を財源とすることになっています。つまり2015年10月に消費税が10%に引き上げられなければ、短縮措置は取られることがない。そのため無年金者は、無年金を脱するために、消費税が10%に引き上げられることに運命を賭けて、2015年9月末まで保険料を後納することができるものの、もし同年10月に消費税増税が実現しなければ、後納した保険料はまったくの無駄になるというリスクを負わなければならない。
このようなとんでもない事態が引き起こされているのは、2つの制度改正が相互に無関係につくられてしまったためだ。この、連続性・整合性に欠ける無計画な2つの政策が進行しつつある事体は、いかに年金制度改革の中で無年金・低年金対策が重要視されていないかを示しているのではないでしょうか。
こうした事態を収拾し、実効性のある無年金者対策とするためには、時限措置付きで実施された保険料後納期間の延長を3年間に限定せずに一定期間継続し、あわせて、消費税の増税を前提とせずに加入期間の短縮を実施すべきと考えます。このままでは、2015年10月から年金を受給するための加入期間が10年に短縮されるかもしれないのに、後納期間の延長措置はその1日前に終了してしまうかもしれません・・。『以上 的外れな無年金・低年金対策引用』