こちらで紹介されていた本をちょこちょこ読んでいます。
今回はこちら。
Amazonより👇
文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説。
文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深遠さと研究の純粋さを描いて、読む者に深く静かな感動を呼ぶ自伝的小説。
「すべてが F になる」の作者さんの本です。
三宅香帆さんの文を読んで面白そう!と手に取ったものの、題名にもある肝心の「喜嶋先生」が一向に出てこない…これはどういう本なの…?と読み進めていましたが、喜嶋先生が登場してからは終わりまで早かったです。
読後は「喜嶋先生の静かな世界」以外の題名が考えられないほど、「喜嶋先生の静かな世界」が浮かび上がる本でした。
そして、
この静けさ、知ってる。
と思い出しました。
大学4年は、好きなことだけに打ち込み、それ以外のことは考えなくてもいい一年間でした。
1年…一般教養
2年…基礎
3年…応用
4年…専門
一般教養では、高校卒業でおさらばだと思っていた体育と物理があり、うぇ〜と思いました。
基礎は、好きな教科と嫌いな教科の差が激しかった。
応用で、好きな教科と嫌いな教科が繋がっていることにようやく気づき、少し楽しくなりました。
そして、専門。
朝から夜まで研究室にいて、冷蔵庫とレンジさえあれば家がなくても生きていけると思いました
お風呂は必要か…好きなことだけしていればいい1年でした。

余計なことはしないし考えない。
頑張りたいだけ頑張れる。
大変だったけれど楽でもある。
なんて贅沢な時間だったんだろう…。
親に感謝です。
本では、4年→修士→博士課程→…と研究が進むにつれ、山登りに例えて、見える景色が変わってくる、というようなくだりがあり、研究者の方の視点を一瞬見せてもらえたような気がしました。
静かな世界が生活に浸食されていくところは、あぁ分かるかも…と思ってしまいました。
社会人になり、仕事以外にもやらなきゃいけないこと、楽しいこと、雑事が増えましたが、子供が産まれてからは更に盛りだくさんで。
イメージは、テトリス?
大学4年…シンプルな長方形の大ブロックが一定スピードで落下してそのまま積み上がっていく感じ。
社会人…小さいブロックが混じるようになったけれど、概ね形はシンプルで落下速度も適度。
母…大小不同、形もバラバラなブロックが、スピードもバラバラで落ちてくる。
静けさは遠くなりにけり。です。
といっても、今の状況にも満足してます

理系の学生さんにオススメ、とどこかにありましたが、理系もどきの私でも楽しめたし思うところがたくさんありました。
今自由な時間がある学生さんや、好きなことに没頭した経験のある人に読んでほしい一冊でした
