翼の翼


勇者たちの中学受験


きみの鐘が鳴る



どれもぐっとくる内容でした。ですが、読んでいて、一部の大人の言動で苦しくなりました。


そういう部分がなく、ただただ子どもの頑張りの純度に感動したのは、


「金の角持つ子どもたち」でした。


この本は、長女が5年生の後期に初めて読みました。その時は、6年生から受験をスタートした主人公と、5年生から塾に通い始めた長女を重ねて、走り切れますように、と祈るような気持ちで読みました。


親の思い、塾の先生の思い、受験生本人の思い、全て受け入れられる内容でした。

(*島津父みたいなのは出てこない、ということです。)


6年生の流れにも沿っており、受験当日までの流れ、感情の起伏もイメージしやすかったです。


何よりも、題名になっている「金の角」。


長女にもいつか生えるかしらと常に頭の片隅にありましたが、埼玉受験で一山、いえ、谷を渡りきったあたりから、長女にも金の角が見える気がしました。


先日、また読んで、泣きました。

二月の勝者より泣きました。


以下、文中の抜粋を含みます。


自分のつらい過去は、今、子どもの盾になるために必要だったのかもしれない、と思える主人公の母の強さ。


限界まで頑張れば見たことのない景色に出合うことができる、生き方が変わる、とお父さんに教えられた、と語る主人公の友達。



そして、塾の加地先生。


いい受験だったか。そうでなかったか。それが最も重要。


二月の合格発表後には、ただあの子が積み重ねてきた努力だけが残ります。


子どもたちに武器を与えたい。

努力することの確実さを、小学生の頃に肌で覚えてほしい。勉強は努力を学ぶのに一番適した分野。学力は人生を裏切らない。


子どものすることにはすべて理由がある。


「どうして勉強しなきゃいけないの?」という子どもの問いに。

難問に出合った時に逃げ出さず粘る力。

どうすれば解決するのかと思考する力。

情報を読み取る力。

ひたすら地道な反復練習や暗記。

決してずば抜けた頭脳になれといっているのではない。努力ができる人間であってほしい。外の仕事、家事・育児・介護といった家の中の仕事。大人になって仕事をもった時、勉強で身につけたあらゆる力は自分の助けになってくれる。人生を支えてくれる。


誰もが強く生きたいと願っている。自ら弱者になる者など、どこにもいない。



読み終えると、娘たちや受験生だけでなく、世の子どもたちの努力が光をまとって見えます。



次女の頭にも金色ではないですが、光の加減によっては角の輪郭が見える気がする時があります。


見守りたいと思いますちょっと不満


頑張れ私。

私には石があるから大丈夫。