母も次女の姿勢を見習おうと思い、最近、本に最後まで目を通すようにしました。
そうしたら、文庫本の最後の最後に、熱いメッセージが書かれていることに初めて気づきました![]()
岩波文庫
「読書子に寄す
ー岩波文庫発刊に際してー」
1927年7月
岩波茂雄
角川文庫
「角川文庫発刊に際して」
1949年5月3日
角川源義
岩波少年文庫
「岩波少年文庫発刊に際して」
1950年
ポプラ社
「ポプラ社文庫に座右をおくる」
1976年11月
講談社
「『講談社 青い鳥文庫』刊行のことば」
1980年11月
岩波新書
「岩波新書新赤版一〇〇〇点に際して」
2006年4月
それぞれの時代の本を作る人たちの、
過去や現状への憂い、
本への想い、
本や読者を通じての未来への期待に、
読むと胸が熱くなります。
文庫本、という存在についても考えさせられます。
我が家にある一番古い本は、昭和7年の本。
定価20銭とあり、その前のページに、
「読書子に寄すー岩波文庫発刊に際してー」
があります。
以下抜粋です。
真理は万人によって求められることを自ら欲し、芸術は万人によって愛されることを自ら望む。
〜中略〜
万人の必読すべき真に古典的価値ある書をきわめて簡易なる形式において逐次刊行し、あらゆる人間に須要なる生活向上の資料、生活批判の原理を提供せんと欲する。
岩波文庫も、角川文庫も、発刊の辞の1ページから一本の映画になりそうなほどの気迫を感じます。(知らないだけで存在するのかもしれません。)
本を読みたくなります。
本を大事にしたくなります。
家にある最近の文庫本にはこのような発刊の辞?がないものも多く、一度その存在に気づいてしまうとないと少し寂しい気もします。
