ロンドンから疎開、といえば、


ナルニアのペベンシー家の4飛び出すハート

ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシー。


先日読んだ本も、ロンドンから海辺の町へ疎開した姉妹のお話でした。


「イングリッシュローズの庭で」


美しい姉のダイアナにコンプレックスを持ちつつも自由な妹のローズが主人公。姉妹2人だけで生活することになった疎開先の家で、ローズが前の住人が残した日記を見つけ


姉は21歳、妹は17歳。

姉の婚約、未婚の友人の出産、本当の愛、将来の夢、それぞれの成長、周りの人のあたたかさ。


長女にはまだ少し早いかな…。でも、いずれ読んでもらいたいと思いました。


この本がおもしろかったので、同じ作者の

「おやすみトムさん」を図書館で借りました。

ロンドンから疎開した少年ウィリアムと、受け入れ先の孤独な老人トムさんのお話です。

愛を与えてもらえずにきたウィルと、愛を与える相手を失って久しいトムさん。


武骨なトムさんがゆっくりとトムさんなりの愛情を注ぎ、心にも傷を負っていることさえ自覚していないウィルが心を開いていく様子、村の人がそんな2人を時に見守り、時に手助けする様子に心があたたまります。後半はドキドキハラハラの救出劇もありました。



そして、この本を借りた時、図書館の新刊コーナーに置かれていて、ふと手に取り一緒に借りてきたのが、


「図書館がくれた宝物」


なんとこちらも第二次世界大戦下、ロンドンから疎開する、ウィリアム、エドマンド、アンナの3兄妹のお話でした。

厳しい疎開生活で3人の救いとなったのは村の図書館で


図らずもロンドンから疎開のお話3連続!

「おやすみトムさん」の主人公もウィリアムだった!そして、次男がエドマンドって…♡


と、一人で妙にテンション上がりました。


更に、文中に出てくる懐かしい作品の数々。


アンナが「小公女」のある場面を読み、それが現実になったらいいのにと夢みながら寒い部屋で眠りについたり、「砂の妖精」のサミアドが出てきたり。サミアド、懐かしすぎる…♡



三作とも、人の良心に触れられる物語でした。


受験、猛暑、値上げ、戦争、強盗、等々、不安を挙げればきりがない中、ひと時の安心を手に入れた気がしました。


そして思い出したのは、この詩。


夢みたものは ひとつの幸福

ねがったものは ひとつの愛

山なみのあちらにも しずかな村がある

明るい日曜日の 青い空がある


私はなにかの本の中で出会いました。

なんの本だったんだろう

この時はまだ学生でした。

自分が考えている幸せ、平和が、このたった4行で表されているように思い、強く心に残りました。


最近、ネットで検索して、これが立原道造さんという方の「夢みたものは‥‥」という詩の一部であること、合唱曲にもなっていることを初めて知りました。


この詩を思い出すような、あたたかく、安心を取り戻せる気がする本3冊でした。


長女には「おやすみなさいトムさん」と「図書館のくれた宝物」を、次女にも「図書館のくれた宝物」をおすすめしようと思います。