部屋に入った私達は何をするわけでもなくベッドに潜り込んで眠りについた。

まさしく龍の言っていた「寝るだけ」を実行したのだ。


昨夜からの私達の睡眠時間は明らかに足りず(推定3~4時間)、昨夜興奮状態でいた私も流石に限界だった。


ホテルは通常フリータイムがある。
平日は長い所で昼から夜までいられる所もある。
料金も通常料金より確実にお得だし、食事も頼めるし、お風呂も綺麗でベッドも大きい。
行き先のない私達(寝不足)にはもってこいの場所だ。


しかし場所が場所だけに一瞬、龍が求めてきたらどうしようと頭をかすめたが、龍は意外にも大人しく眠りについた。

私と同じように寝不足なのと、普段仕事が夜勤なこともあって昼夜逆転の時差ぼけみたいなことになっているのだろう。

万年発情期の龍でも限界はあるらしい。

経験から拒絶不可なのは理解しているので腹をくくっていたのだけど、どうやら取り越し苦労だったようだ。

あまりに意外で驚いたが(普段が異常なもので…)安堵感はそのぶん大きかった。


こういうところで自分が龍のことを信用していないことがハッキリ分かる。

別にソレに対して落ち込んだり悩んだりはしなかった。
今までされたことを思えば、逆に龍の何をどこを信用できるというのだろう。


じゃぁ何で一緒にいるのか、一緒にいたいと今現在足掻いているのか。

自分で何度も考えてみるが答えはいつも曖昧だった。

一つ上げるとすれば、やっぱり「好き」なのだ。
思い出や色んな感情はあるけども、まとめてみれば「好き」だから一緒にいたい。

どんなに嘘つきで最低な人だとしても。


信用がなくても一緒にいたいと思えるのならそれでいい。

嫌いな人とはいたくないけれど、好きなのだから諦めたくない。

それが曖昧の中から無理矢理捻り出した私なりの結論だった。



ベッドに潜り込んでからゴロゴロと落ち着きがなかった私だったが、龍が私の体に絡み付くような形で眠り始めた為、ようやく瞼を閉じた。

龍はいつも私と眠る時はぴったりくっついて眠るのだ。
いつものことなのだが、今回別れ話をした相手(私)にするのはどうかと思う…。

などと考えてはいたけども、私的には嬉しくて暖かい気持ちで眠りに落ちた。
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