手紙に添えられていたチョーカーは、間違いなく龍がしていたものだった。
それは付き合い始めの頃に私が龍にあげたもので、それから一度も外した姿を見たことはなかった。
そのチョーカーを初めて外した。
そしてまた嘘の言葉と共に私に送ってきたのだ。
それの意味することはただ一つ、別れだった。
龍のやることを3年も見てきたのだから、行動が何を表しているのかくらい分かる。
別れを提示されたことに対しては「やっぱり」と思ったが、それよりも手紙に書かれた嘘の言葉が悲しかった。
【愛してる】なんて嘘だ。用事なんて嘘だ。
誕生日プレゼントと偽って、チョーカーを返すやり方が気に入らない。
また適当にやり過ごそうとしているんじゃないか。
「愛してる」という言葉さえ言っていれば私が騙されると思っているんじゃないか。
別れたいならハッキリ言えばいいのに![]()
そうゆう卑怯なやり方が一番嫌いだった。
友「大丈夫?」
私「うん」
友「最悪じゃん…こんなの」
私「いいの。分かってるから」
涙すら出なかった。
それどころか笑いが出てくる。
人間悲しみなどを通り越すと笑いが出てくるものらしい。
私「ごめんね、こんなことにつき合わせちゃって…」
友「いや…」
友人は何も言わないでいてくれる。
ここに書いてはいないが今回のこと以外でも散々龍に付き合わされ振り回されている。
私が妊娠した時も浮気された時も、黙って側で泣かせてくれた。
とてもとても優しい人だ。
そんな人を巻き込んで、自分のやるべきことを人に押し付ける龍が情けない…。
お礼を言って友人とは別れ、部屋に戻って龍からの言葉を読み返した。
大きく書かれた「愛してる」の言葉が気持ち悪い。
嘘で固められた言葉。吐き気がする。
私はその手紙をびりびりに破ってごみ箱に捨てた。
そして龍への連絡を一切絶った。
龍に別れを告げられたのは、それから間もなくのことだった。
