龍という人間はとにかくずるくて嘘つきだった。




何でも自分の好きなことを最優先にし、駄目だと言われることも「やったもの勝ち」だと言いながら行動してしまう。


自分の目的の為なら平気で嘘をつけるような人だった。




それを全て陰でフォローしていたのは司だった。




それは周りの誰に聞いても同じ答えが返ってくる。




そんな二人だったがそれはそれで不思議と上手く関係ができていた。








いや、正確には上手く関係ができていると表面上見せられていた。




裏側ではきっと色んなことがあったのだろう。




でもそこに私が入ったことで、二人は私の「兄」になってくれた。


私の前では「兄」としてカッコ良く、無様な姿を見せないでいてくれた。




その証拠に、私は二人の笑った顔しか見たことがない。


だから安心して一緒にいられたのだ。






でも私が龍を好きだと告白したところから全てが変わってしまった。




龍はだんだんと私を「女」として見るようになり、司はそれをなんとかギリギリでも止めようとした。


正確には「女」ではなく「性」としてだったのだろうけど…。




そして結果的に司は諦め、いなくなってしまったのだ。





私は三人の関係が崩れたのは自分のせいだと感じるようになり、龍に対して罪悪感を感じるようになった。




『私が好きだと言わなければ、あのまま三人でいられたのかもしれない…』


『私がもっと龍を受け入れていたら、マリさんに手を出すことなんてなかったのかもしれない…』




それはみるみる大きくなり、やがてその罪を償うことだけを考えるようになっていった。




『私が龍を支えなくちゃビックリマーク』と…。






龍はしばらく落ち込んでいたものの、やがて元気を取り戻し、司の話題を一切口にしなくなっていた。




私も司の話題は避けた。


龍に聞きたいことはたくさんあるけど、今更聞いても真実は分からない。


それに元気になった龍をまた落ち込ませたくない…。




この頃は司のことでバタバタしていて、龍の浮気相手達のことはサッパリと忘れてしまっていた汗


(実際は続いていたみたいだけど…ガーン






そうして複雑な気持ちを抱えたまま受験も無事に終わり、私は晴れて高校生となった。


2000年3月の桜が咲いた綺麗な季節だった。



ペタしてね