今は亡きピアニスト、ホロヴィッツが愛用したピアノを弾かせていただく機会がありました。

これはスタインウェイジャパン株式会社が十周年を記念して、
日本各地に巡回しているものです。
実際に演奏してみることができる・・・ということなので
新聞で記事を見た時点で
予約を入れておきました。
行ってからうかがった所によると
一週間の期間中、一人20分で設定した
120人の枠がすべて埋まってしまったそうです。

早めに予約してよかった・・・・

弾いた感じは、
タッチは軽めで、どちらかというと弾きやすい。
音の出方は、ストレート。
音色は鮮明ではっきりしているが、柔らかい・・・

言葉にするとこんな風かな。。。
音を言葉で伝えるのは難しいですが。。

モーツァルト、シューマン、ベートーベン等を試してみました。
もちろん、スタインウェイのフルコン、私ごときが弾きこなせるものではありません・・・
が、CDで聴くホロヴィッツのすばらしい演奏のオーラを
少しだけ分けていただいたような気がして、
ホロヴィッツが弾いた同じ鍵盤に、
感謝を持って触れさせていただきました。

以下はパンフレットからの抜粋です。

 ホロヴィッツは、世界各地のコンサートやレコーディングに何台かのスタインウェイピアノを使用しました。
 
 いずれも彼の心に叶うものでしたが、中でも製造番号No.314.5031943年製Dモデル、ワンダ・トスカニーニ(注1)との結婚記念のピアノでもあるこのピアノを“我が忠実なる離れ難き友”と呼び、
ニューヨークの自宅で、また多くのコンサート会場に伴って愛用しました。
 1986年の日本でのコンサート(注2)も含めて、最後の4年間のコンサートにはこのピアノだけが使われました。(注3)

 ホロヴィッツの専任技術者であったフランツ・モアは「マエストロのピアノだからといって、特にちがいはありません。」と語ります。
 では何がこのピアノをそのような特別なものにしているのでしょう。
 外観は他のスタインウェイDモデルと同じですが、このピアノの内面には微妙な特徴が見出せます。

 「マエストロが愛したこのスタインウェイを、マエストロが好む音色を出せるように、また好みのタッチとなるように調整する」のがモアの役目でした。(注4)

 マエストロ独特の平らは指使いに調和させ、好みの重さと深さに調整する。
そしてホロヴィッツの音と人々が言うあのピュアでパワフルな低音やクリアで華やかな高音、
音色のニュアンス(“鼻にかかった・・・nasal”とホロヴィッツが言う)をこのピアノがいつも出せるように。
 
(ゆみみ注1)ホロヴィッツはイタリアの大指揮者トスカニーニの末娘と結婚しました。

(ゆみみ注2)1986年「おそらく最後だろう」と言われ、そのとおりになった来日、
        ゆりかんは残念ながら聴いていません・・・上の子2歳、下の子はお腹の中。
        ブランクの真っ只中です。そしてとうとう生で聴くことができないままでした。

(ゆみみ注3)ホロヴィッツほどの、いわゆるマエストロと言われるクラスのピアニストともなると、
       お気に入りのピアノを会場から会場へ、あるいは空輸で国から国へ持ち運びます。

(ゆみみ注4)ほとんどのピアニストは会場に備え付けのピアノで演奏します。
       会場に複数のピアノがある場合は、どれを使うのかを決めます。
       ピアノ調律師は単に音を合わせるだけでなく、
       ピアニストがよりよい演奏ができるよう、タッチや音色などをピアニストや、
       プログラムに合わせて調整します。