● フランスのわらべうた「フレール・ジャック」の作曲者は?

 

こんにちは、ことのね音楽教室の天野です。


日本では「グ―チョキパー」の手遊び歌のメロディで知られていますが、元はフランスのわらべうた「フレール・ジャック」。

こんな歌詞の内容です。

Frère Jacques, Frère Jacques,
修道士のジャックさん、

Levez-vous ! Levez-vous !
起きなさい!

Sonnez les matines, Sonnez les matines,
朝の鐘を鳴らしなさい!

Bi, bong, bong ! Bi, bong, bong !

小さなお子さんも、耳で覚えられるシンプルな歌ながら、4声のカノンで作曲されています。

このカノンの作者は、18世紀フランスの作曲家ジャン=フィリップ・ラモーであることが、音楽学者のスィルヴィ・ブィスーの研究で結論されました。
 

決め手となった資料が、ラモーと同じ時期にパリのオペラ座で活躍したヴァイオリン奏者ルイ=ジョゼフ・フランクールによる手稿譜。その中で「フレール・ジャック」を含む4つのカノンの譜に、ラモーの作と書き記されています。

 

 

 出典:フランス国立図書館

ジャン=フィリップ・ラモーは、18世紀フランスバロックを代表する作曲家として、数多くのオペラ=バレエを生み出しました。また、西洋音楽史上、最大の音楽理論家の一人でもあります。

「フレール・ジャック」をカノンで歌うときに繰り返し聴こえてくる、ド・ミ・ソからなる完全和音。「旋律は和声から生まれる」と主張した理論家のラモーらしさが感じられます。

それでは、作曲家であり理論家であるラモーが何故、世代を超えて世界中の子ども達に歌い継がれるような、シンプルなカノンを書いたのでしょうか?

ラモー研究者であるスィルヴィ・ブィスーは、「カノン作曲法に関する教本」の作例として書かれたものと推定しています。なお、カノンに関するラモーの著作そのものは、残念ながら散逸してしまいました。

「フレール・ジャック」は、短い歌詞とはいえ、フランス語テキストに基づく音楽の特徴-歌の入り方と終わり方-をよく表しています。

第一に歌の入り方についてですが、原則として、フランス語では文頭にアクセントがありません。そのため、歌詞が小節の途中から始まり、アクセントの生じる音節が、小節の一拍目(音楽上の強拍)に配置されることで、言語本来のリズムと音楽が一致するのです。

歌の終わり方については、フランス詩(韻文)の規則に由来するもので、「無音のe」を伴う詩句の句末では、音楽が3度の音程で終止します。

実のところ「フレール・ジャック」の歌詞に脚韻はないのですが、
Jacques(ジャック)と、les matines(朝の鐘)で終わる句末に、典型的な3度の終止が見られます。

これらの特徴は、フランス音楽において、声楽曲のみならず器楽曲の旋律にも共通するものです。

 

 

音楽が言葉のリズムから生まれ、言語文化と分かちがたく結びついています。


だからこそ、フランス語原文で歌うことで、本来の音楽のリズムが浮き彫りになります。

そして、私たちの身体と結びついた言葉と、音楽との一致は、音楽に身体感覚とのつながりを取り戻してくれます。

ことのね音楽教室は、私が大学時代より研究してきたフランス詩法の知見と、妻、天野絵美が音楽教育や療育の現場で培った経験を元に、言語と音楽と身体のつながりを大切にした独自の芸術教育プログラムを提供しています。

 

 

「おんがく劇」クラスでは、お子さん達と「フレール・ジャック」を3月の発表会「ことのねの花まつり~Fête des Fleurs~」に向けて練習しています。

 

 

奇しくも、ラモーのオペラ=バレエ「優雅なインドの国々」第3アントレ「花々」から抜粋した、アリアやダンスを中心としたプログラムの導入「春の目覚め」として、「フレール・ジャック」を歌う予定です。

 

 

新年度に向けて、各クラスとも、新規のお子さんを募集します。

 

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 ことのね音楽教室 講師 天野史彦

 

三鷹市井の頭 しなやかな心と身体がそだつ「ことのね音楽教室」

 

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