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「謎」の進学校 麻布の教え (集英社新書)/集英社

¥820
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8割がた読み終えたところでとりあえずの感想
まずこの本自体がさほど整理がついていない。インタビュー形式で手を入れていない良さもありますが、多分インタビューしてる方もさほど頭の中が整理されてません。obらしいですがやや冗長です。


・教師の純粋培養率(obが占める比率)が1割というのは、diversityを確保する上で絶対的な競争力になります。麻布の一番の強さはここにあると思います。

・麻布がプログレス21を使ってるのは前から知ってました(市川の評判の悪い校長が麻布出身で、麻布を真似て導入した話も知っている)。プログレス21の一つの利点はnativeが書いているためよりシャープなスタイルで身につけることができることですが、果たしてそもそも対話が苦手な男子学生に合うのかという問題がある。

・ただ麻布は国語ではかなり書かせるので、書き言葉には耐えられるかもしれない。他方で話し言葉はまた別の能力なのでこの点は下記にもある通り耐えられるかは疑問。

・高校受験枠を増やしてdiversityを確保したほうがいいのは他校と同じ。純化されすぎて不確実性によるショックへの耐性が急激に落ちる。

・アルバイトokなのは高評価。職業体験がないと人格形成上生きていく上で何が必要かがわからない。幸い港区には優れた企業がゴロゴロあるので、その辺りも活かせるようになったら学校としては相当強いと思うが、そこまで気が回ってるようには見えない。

・「麻布生は勉強しない」と、「集中力がある」を強調しているが、そもそも中学受験で下地を作っていることは他の一貫生と事情は同じなので、さほど強調しなくていい気はする。「来るべくしてきている上の1/3」「受験勉強頑張った真ん中の1/3」「なんでここにいるのかわからない下の1/3」と分けられる東大生ですが、売りにしてる競争力の中核がこれであるならば、真ん中寄りの子は多いのかなと。文化祭の展示の完成度もグダグダなので、集中力を売りにするのであれば高い完成度のものは見たい。

・英語指導について過保護との記述があったが、要するに対話を強制できるかどうかにかかってるんじゃないかとは思う。書き言葉では限界もあれば自分から逃げられるので成長しない。スキル以前に姿勢の問題かなとも。そしてそれが徐々にできなくなっているであろう点がかいま見えるところに、今の麻布の限界をやや感じる。

・野生を残しているのが麻布の良さだと個人的には認識してますが、言葉が丁寧に出てこないなり、対話の経験がさほどないことは他の男子校と大差ないようには思います。政経の授業の冒頭で、「センターで点が取りやすいからよく聞け」と学生の注意を集めるよう仕向けるとの記述がありますが、難易度が低かったのも数年前までの話で、今はそれで通用しません。

・尤も学校側もわかってるとは思いますが、他者との対話の基礎を身につけるのは倫理政治経済くらいでしか期待できないので、ここは頑張ってほしいなと。

・学校の先生側が生徒一人一人を見ている強度が違う、というのは実感としてあります。麻布がまだ持ちこたえている一番の理由は、生徒側にあるのではなく先生なり体制側にあるのかなと思います。(生徒側は所詮環境要因でいくらでも大きく影響を受ければ、自分を客観視できている子は、通常欧米圏の海外進学を考えている子+αくらいだとも)

・麻布の受験者数が落ちてるのは、はっきり言ってしまえば親の器の狭さが直接の原因だと思うので、さほど気にする必要もないかと思いますが、それで粒が揃わなくなり始めると学校の競争力として相応の危険はあるのかも。JGも一時期不人気になりましたが盛り返してきたのも、あの文化が絶対無二のものであり何物にも変えがたいと認識されているため。

・「最終学歴・麻布」で十分やっていける教育、というのはさすがに言い過ぎかなと。

・この本全体に言えることですが、科学の要素が話に出てこない。つまり麻布らしさという要素の中核に科学の競争力が挙がることが少ない、ということを意味しています。自由は各校の歴史に裏打ちされ、その積み重ねの上に定義される固有のものですが、それ以前に物理的な限界を理解させる科学への理解が表に出てきていないのは弱点かなとも。


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