
次回の食事会は明後日11/1 15時 @市ヶ谷になります。
科学研究に十分な予算が割り振られないと不満を漏らす話を院生から多く耳にします。気持ちもわかりますし、現状は過酷だと思います。他方で、では割り振った時にどうやってそれ以上の市場価値を生み出すのか、その問題に対して明確な回答を持ち得ている院生・研究者は殆どいないでしょう。そういう教育を受けていないというのも大きな理由としてあります。裏が取れないから政府も予算を割り振らない面があるわけです。財務官僚だってバカではありません。真剣に考えて最適化した結果がこの現状何だと考えるのがまずは妥当です。
保護者が教育に向き合うに当たりやるべきことはいくつかありますが、その中でも喫緊の課題として、教育にまつわる政治問題に取り組むことからまずは始めるべきだと思います。特に国家予算の問題。無い袖は振れません。ここから目を背けている保護者が殆どなんじゃないでしょうか。
日本の国家予算に占める教育費の割合は、先進国の中でも低いことが知られています。そのため民間のサービスが2兆円規模で請け負っているのが現状です。願望では質の良い教育は振ってこない。代替案を望むなら、まず、「財源はどこにありますか?どこから引っ張るべきだとお考えですか?」という問いに、各自が応えられるようにならなくてはなりません。手元の家計だけで教育を語ろうとしても無理です。そもそも家計が持ちうる予算は公的な予算や民間の市場規模と較べたら小さなものであるためです。
必ずその時、アメリカに対する債権の問題が出てきて、アメリカからその金を引きはがすに当たり、如何に国家として自立度を高めるべきかという問題に突き当たります。そこから逃げてはいけません。最低限の常識として認識している必要があります。
当然軍事・エネルギー・食糧等各分野の安全保障の話題にもつながってきます。実態を把握するにも時間もかかり、こうした問題を解消するにはさらに多くの時間がかかるとは思います。しかし保護者の役割は子供に奴隷のように無意味な演習作業を強制することではなく、政治参加を通じて、現実味のある打開策を議論を通じて共有することにもあると考えます。
ところが残念ながら、多くの保護者はこうした話題をまず認識してもいなければ、わが子と共有することすらできていません。子供達が先行き不透明な状況で、馬車馬のように受験勉強ばかりさせられて気持ちが暗くなるのは当然です。
医師だから、東大卒だから収入が高いなんて時代はとうの昔に終わっています。それでもその信仰にとどまり、ビジョンなど全く見えていないのが殆どの家庭ではないでしょうか。
問題の核心は、どうしたら豊かさにつながるのか、富を確保し、それを教育に還元する循環を生み出せるのか、思考停止していることにあります。僕はどの家庭からもそうした議論、現実味のある議論を久しく聞いていません。挙句の果てに出てきたのが、「自分だけは生き残りたい」が結晶化した「グローバル人材」の議論です(最近はだいぶ雰囲気が変わってきましたが、当初はとにかく超人的に優秀な人間になって生き残れという論調がひどいものでした)。下策であるこれですら、わが子だけは生き残れればまだましですが、更に笑えないのは「海外は金がかかるからダメだ」と聞く耳持たずに却下する保護者が山のようにいることです。
「わが子だけには「いい(勝てる受験指導メインの)」”教育”を。しかも金をかけずに」と目論んでいる間は、所詮わが子の才能を摩耗させるばかりのラットレースを抜け出せません。殆ど夢物語です。手段もなければ根拠もありません。受かったところで得られるのは自己満足のみです。最近感じますが、大学生は所属校で内輪で固まる傾向が強い割に、市場価値を生み出す組織外の信用の連鎖を生み出すことが出来ません。保身の意識が強すぎて、互いに排他的になってしまうためです。当然強調して利益を生み出すことができません。
所謂合成の誤謬です。過当競争を加速させて所得水準を地盤沈下させる潰し合いしか生まれません。その問題意識を全国レベルで共有し、どうしたら豊かになれるのか、互いに同志を探しながら新たな教育の在り方を模索していかないとダメじゃないかと思います。
それ抜きに、スキルとしての数学や言語、プログラミングなどを身につけさせても徒労に終わります。そのスキルを通じて生み出されたものなりサービスを通じて、誰がどのように豊かになり、また結果的に自身に還元されていくのか、社会のありようはどのように変容していくべきなのか、そこまで考え、保護者同士・学生同士で共有する必要があります。それが大人の役割だとも思います。ビジョンを真剣に考え抜きましょうという話です。その力が無ければ、ラットレースが形を変えて逆戻りするのみだと考えています。
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