20150327

Alban Gerhardt (vc)
Josep Caballé-Domenech指揮
Royal Flemish Philharmonic Orchestra(ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団)

Vieuxtemps - チェロ協奏曲 第 1番 イ短調 作品46
Vieuxtemps - チェロ協奏曲 第 2番 ロ短調 作品50
Ysaÿe - 瞑想曲 ロ短調 作品16『詩曲』
Ysaÿe - セレナード イ長調 作品22

2013年録音
レーベル:Hyperion

演奏 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

1969年ベルリン生まれのチェリスト、アルバン・ゲルハルトはベルリン・フィルのヴァイオリニストを父に持つという恵まれた環境で育った英才のようです。
彼の演奏はブリテンのチェロ交響曲、チェロ・ソナタ、無伴奏チェロ組曲のアルバムで聴いたことがあり、その時の印象は良かったようですが、このヴュータンとイザイのアルバムは余りぱっとしません。
それは演奏そのものというよりも、ヴュータンの楽曲に鼻に付くわざとらしいロマン派様相があるからのように思えます。
華麗さを意識したかのような楽曲ですが、今一つ品がなく、人工甘味料で無理に甘さを誇張した出来の悪いお菓子のような、接しやすくとも本物との認識を得られない、そんな印象をいだきます。
ただ、余り聴くことのない歴史的なヴァイオリニストであった二人のチェロのための楽曲の録音という価値そのものはあると思います。

録音 ☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

演奏がそうだからか、録音の印象も余りぱっとはしません。
低域の豊かさなどは良いのですが、全体的には音の見通し感が余り良いとは言えず、輪郭が滲んでいるかのようなオーケストラの響きです。
チェロへのフォーカス感はしっかりしており、チェロの音色そのものには明瞭で豊か、そして深い響きが感じられます。
左右への広がりはありますが、奥行き感にも少し物足らなさを感じる録音です。

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20150318

Fabio Luisi指揮
Philharmonia Zürich(フィルハーモニア・チューリッヒ)

歌劇『ローエングリン』より 第1幕への前奏曲
歌劇『タンホイザー』序曲
歌劇『リエンツィ』序曲
歌劇『恋愛禁制』序曲
歌劇『妖精』序曲

ファビオ・ルイージ&フィルハーモニア・チューリッヒによるワーグナーの序曲、間奏曲選集のDisk2です。
Disk1 Wagner - 前奏曲と間奏曲集 Disk1もご参照下さい。(選集は2枚組CDです)

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ともてゆったりとした、そして豊かな印象を受けるルイージのワーグナー。
好みの分かれる演奏なのかも知れませんが、丁寧に優しく紡ぎだされるその音楽にはルイージならではのワーグナー像があるのかも知れません。
好みは別れても、演奏の質の高さは疑いようがなく、靭やかに謳う弦、豊かで堂々とした金管、そして鮮やかさが印象的な木管群によるアンサンブルは一流と言っても過言ではないと思います。
『リエンツィ』序曲はかなりテンポがゆっくりと感じましたが、全体的に穏やかさを持ちながらも弛緩した雰囲気はなく、微笑みが感じられる好演だと思います。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

Disk1では余り感心しなかった印象でしたが、このDisk2はなかなか素晴らしい録音に思えます。
演奏が穏やかなので直接的な音響的愉悦感があるとは言えませんが、その実、豊かに広がる響きには高い潤い感がありながらも音の明瞭さが感じられます。
タイトで波動感のあるグランカッサ(大太鼓)や鮮やかさの高いカスタネットの音色などにははっとしますが、その他に一聴して特筆できるような派手さはありません。
しかしながら聴き込めば音響的な素晴らしさは数多く発見できそうな録音です。
Disk1と実際に大きく録音が異なっているとは考え難く、恐らくは機器の調子、或いは私自身のその時々の感性のブレに拠る相違があるのだと思います。

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20150325

Kenneth Woods指揮
Orchestra Of The Swan(オーケストラ・オブ・ザ・スワン)

交響曲 第 1番 ニ長調 作品30 2013年録音
交響曲 第 2番 ヘ長調 作品53 2012年録音

レーベル:Avie

ケネス・ウッズ&オーケストラ・オブ・ザ・スワンに拠るオーストリア生まれの作曲家、ハンス・ガル(Gál, Hans 1890-1987)の交響曲全集のDisk1です。(全集は2枚組CDです)

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ハンス・ガルの楽曲を聴くのは初めてです。
Wikiに拠るとガルはオーストリア生まれですが、ユダヤ人であったため1938年のナチス・ドイツによるオーストリア併合による弾圧を逃れるためにイギリスに移住したそうです。
しかしながらウィーン時代にはブラームスの個人秘書に作曲を師事していますので、ブラームスの孫弟子になるようです。
楽曲的には後期ロマン派の薫りが高いのですが、マーラーの楽曲に明るい清涼感を与え、マーラー独特の毒を抜いたような印象を受けました。(そんなのマーラーじゃない!?)
オーケストラ・オブ・ザ・スワンはイギリスの室内管との事ですが、ブラームスの孫弟子ながらブラームスの濃厚なロマンティシズムを感じないのは、彼らの演奏が室内管ならではの良い意味での質素さがあるからかも知れません。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

音の見通し感がとても優れており、室内管らしい編成を感じられるすっきりした録音です。
音場の潤い感は高く、それが演奏の清涼感を高める要因ともなっていると思われますが、音の輪郭は明瞭で定位もしっかりしています。
金管群の響きにも堂々としたものが感じられますし、木管群の音色にも鮮やかな物があります。

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