トヨタの社長の発言を嚆矢として「終身雇用」の維持が今後は不可能になるだろうという流れが一気に押し寄せてきていますが・・・。これに賛成する立場の人は、「働かないで高給を食んでいる中高年」を念頭において、「雇用の流動性」がまるで『優秀な人材』の賃金向上をもたらす聖杯のような言いかたをしています。

 

そもそも賛成している人たちが『優秀な』、『若くして高給をとるべき人材』で、中高年になっても自分だけは『優秀な人材』と評価され、雇用が維持されると信じているのかどうかはわかりませんが、終身雇用を維持できない会社に勤めたら、考えることはただひとつ

 

会社が業績不振になろうが、潰れようが我関せず。

会社が危機の時は沈みゆく船の鼠のようにサッサと逃げる。

 

ということですよね。会社にロイヤリティを全く持たない社員ばかりになるでしょう。私なら仕事は適当にやって、40歳代になるまでに他の収入の道を探し、それが確立した段階でサッサと会社を去る算段をつけるでしょう。

 

二言目には欧米の雇用状況を口にしますが、あちらは労働組合がハンパなく強いわけでして、日本みたいに経営陣のポチな組合なんかないわけです。会社が傾くほどの争議を平気でやりますからね。

 

私は会社経営は従業員の人生も背負うことだと思っています。だから人を雇うということが難しいことだと思うのです。人件費を固定費といった「経費」扱いすることは会計上はともかく、安易な経費削減の対象にはできないと思っています。

 

たぶん、中高年で退職を強制するとか、賃金を押さえるということは、その年代に多くの出費を要する「子育て」が難しくなるということですから、少子化はますます止まらなくなるでしょう。そしてそれ自体が国力を削ぐことになるのです。

 

そもそも、年齢・経験に応じた仕事を割り振れないとか、働かない社員を採用したのは経営陣が無能だからなんです。自分の無能を棚にあげて御託を並べる経営者が(昔からいますが)最近やたらと目につきます。

 

こうしたことに思いが至らないで、安易に終身雇用の廃止を是とする風潮に疑問を感じませんかねぇ。