頸に入れられたカテーテルというのは面倒なもので、クビが自由に曲げられないのであります。しかも、感染症の危険性と隣り合わせなので、何があろうと外出禁止。透析がない日はシャワーを浴びることができるのですが、カテーテル部分を防水テープで覆い(無駄な抵抗なのですが)、こわごわ頭や体を洗っていました。
そんなわけで透析がない日は暇で暇で・・・。
腕のシャントから透析するのと異なり、透析の度に針を刺す必要はないので、透析を始めるときはそんな苦痛を感じることはありませんでした。ただ、1回に1.5キロ近い水を体から抜いていく(除水)のは何せ初体験なので、体が異常な反応を示してきます。
まずは透析中に足がつること。これは参りました。これだけ足がつるのは20歳代でラグビーをやっていた合宿以来のことです。でも透析を実施するほうは慣れたもので、足がつるのを防止する薬(「芍薬甘草湯」なる漢方薬!)を処方してくれまして、こいつが魔法のように効いてくれたわけです。
最初の透析は3時間で終了しましたが、2回目からは4時間になりました。看護師に聞いたら、最初は様子見で短時間の透析をして、大丈夫そうだったら通常の時間にするということでした。
やはり1分間に200~250mlの血液を抜いてダイアライザーでろ過していくわけですから、心臓はじめ循環器には相当負担をかけているのでしょう。めまいやふらつきが起こるのが通例なので、4回目ぐらいの透析までは病棟と透析室は車椅子で往復を余儀なくされました。
確かに、透析した日は体中だるく、しかも微熱が出てきますので、もうその日はボーっとしているしかないのです。
しかし、6キロほど除水したあたりから、あれだけパンパンに浮腫んでいた足がほっそりし始め、出ていた腹が引っ込み始めたのです。それとともに、食事の味が戻ってきまして、病院の食事も(もともと薄い透析食なのですが)味がわかるようになってきました。身体に溜まっていた無駄な水が抜けたせいでしょうが、おかげで皮膚の乾燥がハンパなく、体全体が見事なまでに「萎んだ」のです。
ただ、一日の水分摂取が900mlに制限され、管理表を渡されて厳しく管理されましたので、とにかく1日に2回ほどしか尿が出なくなり、便秘に縁がない私でも便が固くなって往生しました(尾籠な話ですみません)勿論、間食も禁止ですが、おやつを食べたいと思わない自分に驚いたわけです。
あと驚いたのは、血圧が正常に戻ったこと。これには担当医も驚いていましたが、私が30年以上飲んできた降圧剤はナンだったんだと思えるような血圧になったのです。当然、降圧剤は服用禁止。その他さまざまな薬も服用を中止し、ついにリンの吸着剤と利尿剤の2つしか服用しなくなったのです。
自分の体ながら、ナンで腎臓が悪くなったのかいまだにわかりませんし、医師も原因はわからんと。そんな悩ましい?思いをしている時に、あの福生病院の透析中止事件が起こりました。透析室や病棟の他の患者さんを見ながらこの事件を考えていました。
それは次回に…。