この世には士がつく職業はいくつもあるわけですが、全てが国が認定した資格ばかりでなく、NPO法人や一般社団法人が作ったりするものもあります。(正確には職業ですらありませんけど)
最近はあまり聞かなくなってきましたが、「士商法」(資格商法)という名の悪徳(といわれる)商法もありまして、その資格をとればいかにも仕事が入ってくるかの如く、ろくでもない教材を高く売りつける、もしくは特別会員になると資格取得がスムーズにいくなんて理由で追加費用を要求するなどがあります。
最近は遺言・相続が士業界の業務のトレンドになりつつあるせいか、「相続士」、「相続診断士」はじめ、さまざまな名称の『あや「士」げ』が雨後の筍のごとく出没しています。
他人が自分の金をどう使おうが勝手ですが、この資格をもって相続専門家と僭称するのはあまりにもおこがましいし、滑稽であります。まして、同業者が名刺やサイトのプロフィールにこんなものを記載していると、滑稽を通り越して哀れみさえ覚えるのです。
同業者には遺言・相続を専門にされ、それなりに活躍される方はいますが、こんな資格をとるのにうつつを抜かしている輩は寡聞にして知りません。
どの仕事もそうですが、最初に地道な努力をしなければお金をいただける「業務」にはならないのです。
法学部法律学科出身の私でさえ、基本法コンメンタールを徹底的に読みこむ必要がありましたし、司法試験や司法書士試験の択一式問題集の相続法関連の問題をやったり、さらに無料相談の場数を踏み、わからないところは先輩や公証人に聞いて、初めて胸張ってお金をいただける業務ができたのです。
もっとも、だからと言って「遺言・相続の専門家です」なんて口幅ったくて言えません。見かけを飾って客を呼び込もうという気にならないのです。
箔がつくとか自己正当化する向きもありますが、まるでピンバッチを胸につけて威張っている子供のような幼稚性を感じるのは私だけでしょうか?世間の人は業界リテラシーがなくたって、いや、だからこそ常識的な判断をされる方が多いのですからね。
そもそも、「箔」にこだわるあたりが人として実力二流以下であると公言しているようなものと思うのです。
昔、某金融業でそうした妙な資格をとって自慢していた社員が陰で「〇〇士くん」とバカにされていたという話がありましたが、私の目の前でかような資格を持っていますなんて言おうもんなら、同じ目に会いますぜ。