気がつけば10月ももう終わりになりまして、また急に寒くなってきましたので、 早くも年末を意識する季節になりました。昔はまだまだなんて感じていましたが、最近はハロウィーンなるものが商業主義主導で盛んになったせいか、街中を100円ショップで手に入るような安っぽい変装道具を使い奇妙な恰好をした子供たちが、普段と変わらぬ恰好をした大人たちと徘徊する姿を見かけると、次は「ジングルベル」、「そしてすぐにもういくつ寝るとお正月」へとせわしなく時が流れて、そしてまた自分があの世に一年近づくのであります。
もちろん、受験生を預かっている身では、自分の終活を考える暇もなく、数か月後に迫ったセンター試験のカウントダウンとともに最後の「ツメ」をしなければなりません。
へそ曲がりの私がこの時期だから生徒にいう言葉が「逃げることの大切さ」なのです。
真面目だからこそ、人は借金を必死で返そうとするし、限度を超えた業務量を体力と精神力の限界までこなそうとするし、第一志望と決めた学校に命がけで受かろうとするのです。
でも、命より重いカネもないし、命を削るべき仕事などこの世にあるはずないし、まして、長い人生の中でわずか0.1%にも満たない試験時間に命を賭けることは愚かしいとは思わないかと。
その一方で何もしないで言い訳だけ上手になっている奴より、ある一点に人生を賭ける奴のほうがずっと立派だと。
そう、命を賭ける価値のあるものは少ないけど、人生を賭けてみるものは若い人にはいくつだってあるんじゃないかと。人生賭けて失敗しても、命さえあれば立ち上がることはできるのだから。
だから失敗したらスタコラサッサと逃げてしまえばいいのです。
親がこんなことを言っている教師を見たら目を剝くかもしれませんが、実は大切なことなんです。
「上手な負け方」を教えておかないと、真面目な生徒ほど自分を破壊してしまいかねないのです。勝つことばかり教えて、負けを教えておかないと無謀な精神論ばかりが先にたつというのがこの国の風潮ですからね。
負けることの恐怖心ではなく、負けたら「次いってみよう!」と言える心を育ててあげることも大人というか、先にあの世に行く人の役目だと思うのです。