久しぶりに本業のことを書きます。

例の「マイナンバー」制度で風俗営業業界は大慌てしているようです。キャバクラをはじめとした風俗営業には学生はもちろん、OLもいます。巷間では会社に副業がバレるどうのといった後者の方々の話題が主ですが(少し「真面目」に働けば、申告不要の年20万円なんて額は2週間程度で超してしまいます)、学生さんも年100万円以上の収入なんかがあると、額によっては親の扶養から外されたり、親の払う税金(親がサラリーマンじゃなければ国民健康保険税まで)にも大きく影響が出てしまいます。

制度上当然と言われればそれまでですが、中には貧しい家庭に育ったために学費を稼いでいる人もいるわけでして、情け容赦なく徴税の網にかけるのはいかがなものかと思うこともあります。(生活保護世帯だと、学費を稼ぐのも収入とみなされて支給額を減らされると聞きます。そういえば福島で給付型奨学金を収入と認定し、生活保護から控除しようとする事件もありました)

こうした制度そのものに対する批判はキリがないのですが、雇用主の方もこれで店を辞められたらたまったものではありません。制度通りの運用をするのであれば、税理士や社労士に聞いて、その通りにやればいいのですが、それでは商売が成り立たない恐れがあるというのが、悩みの種なわけです。(もっとも、それだけのことを今の段階で考えている経営者は多少なりとも「まとも」であります)

ですから、風俗営業の許認可を生業のひとつにしている私ごときにまで、「巧い手はないか」を相談しようと電話がかかってきます。しかも教えてくれるのが、さも当然のように。

私も、制度導入が決まった頃から風俗営業には致命傷になりうると思っていろいろと調べたり、考えたりしていました。ですから営業形態によってはいくつかの「巧い手」がないわけではないという結論に達しているのですが、税理士等への確認も済んでいませんし、それ以上に、ナンでいきなり電話をかけてきた見ず知らずの人に教えなけりゃならんのだと思ってしまうのです。

ネットで検索すれば必要な情報の多くは入手できますし、同業者もこんなに懇切丁寧にHPに書いたら、仕事を頼んでくる奴はいないでしょ、という人までいますから、情報はタダという意識が強いのでしょう。

授業をやっても、自分で調べもせずに「この単語はどういう意味ですか」と聞いてくる奴ほど成績が悪いのです(教師は辞書ではありません)。自分で考える力を持っていない人は結局ダメなんです。「自分はこう考えているのですが正しいですか?」という質問をする人間はまだ考える力があると言えます。

大人でも同じなのです。約束を守るのと同じように、自分で考えるといった人間としての基本的能力を喪失していては、たとえ色眼鏡で見られがちな風俗営業でもうまくはできません。

私はセミナー屋ではありませんから、マイナンバーをネタに一儲けしようとは思いませんが、情報は天から降ってくるわけでも道端に転がっているわけでもなく、自分で発掘するものです。それを他人から得ようとするとき、その対価を払うのは、土を掘って作った作物を作った人、必死に練習してパフォーマンスを行なう人に対価を払うのと同じだということを知って欲しいのです。

それにしても、このマイナンバーという制度、「苛政は虎よりも猛し」(礼記)になりかねませんね。