「ドブに落ちても根のある奴は、やがて蓮(はちす)の花と咲く」というのは「男はつらいよ」の主題歌の一節です。(若い人は知らない人も多いですが)

入試の結果が順次開いてくるにつれて、不合格者への対応に心を砕くことになります。

入試の失敗なんか、人生のさまざまな失敗に比べたらたかが知れたものと言い切ってしまうのは簡単ですが、当事者にとってはその一点をそれまでの全人生と天秤にかけていることもあるのですから、不用意なことは言えません。

慰めるべきなのか、励ますべきなのか、どの方法がいいのか、明確な答はありません。というか、答を出すのは無理なのです。30年以上やってきても正解が出せない私が愚かだという人もいるかもしれませんが、ようやく答がないという答にたどり着いたのです。

神と人間との関係に例えるのは適当ではないかもしれませんが、「死海のほとり」(遠藤周作著)にあるイエスのように、苦しむものをじっと見つめるのが人間同士でも心苦しむものにできる最善のことなのではないかと。

苦しい気持ちを完全に救ってあげるなんて、結局私には死ぬまでできないことなのかもしれません。

根があるかどうかは、あくまで個人の資質の問題になります。根は誰でも持っているのですが、(別名根性とも言う)ドブに落ちたらそのまま腐らせてしまうか大きく張って水面に茎を伸ばせるか、こここそが人生の勝負どころなのでしょう。

人生に成功と失敗はない、あるのは成功と学習だけだ、と1年間私が言い続けてきたのはいつか来る「大きな学習」のためなのでもあるのです。