人には必ず父母という親がいます。その父母にはそれぞれの父母がいます。こうして自分の先祖の数をたどっていきますと、2、4、8、16、32、64…という数が出てきます。

これを18代ぐらい遡り、ひと世代を平均40年(昔は平均寿命が30歳代後半だったので均すとそのぐらいと推測します)という前提で考えると、室町時代にはいる頃には約26万人(正確に言いますと262,144人)の「ご先祖」がいたわけです。

この中のひとりが子供を残さず早世したら、今いる自分の存在はないのです。戦国時代はじめ数々の戦乱・飢饉を乗り越えて現在まで命のリレーをしてきたことは「奇跡」という言葉以外に表現しようがないではありませんか。

そうした歴史の中の一つに自分もまたいるのであれば、自分の命を大切にして次に伝えて行くのもひとつの使命ではないでしょうか。また、不幸にして命をつなげられない人がいても、そうした人は過去の歴史上数限りなくいるわけですから、せめて今の自分を精一杯生きることが自分に命をつなげてくれた先祖への責任ではないでしょうか。


私は、生徒にこの話を毎年夏の最後にしています。死ぬことを考えたら、それ以外の失敗なんてカスリ傷なんですよ。