報酬に関することは公式ブログでもよく述べていることですが、私のように市民法務を中心にしている者にとって公正証書遺言の作成というのは、公証人とのやり取りや折衝、文書の手直し、作成日の調整、証人がいないときの手配など結構面倒なこともある代わりに報酬もそれなりにいただけるものでもあります。

日弁連で出している報酬統計では、弁護士の公正証書遺言の作成報酬は平均約15万円だそうです(銀行の遺言信託では50万なんていうトンでもない額がありますが)もちろん、依頼人の財産額によって異なるようですが、そのあたりが世間的相場といっていいでしょう。

それに対して、公正証書遺言を5万円~7万円で作成すると堂々と掲げている同業者を見ると、私は奇怪な感じがするのです。弁護士が作成すると法律的効果が強く、行政書士が作成するとそれが弱いというのであれば、こうした価格差に説明がつくのですが、どこの業者もそんなこと言っていません。

まあ、確かに弁護士会の年会費は行政書士会の何倍にも及びますから、高い金をとらなければ割に合わないでしょうが、それにしても同じものを半値以下で売っていると、その品質自体にクエスチョンマークがつきそうな気がするのです。

少ないとはいっても通常は数千万にも及ぶ財産の行方を左右するものですから、そこには服や靴などと違って安売りの根拠なんて無いはずですよね。もしも、ブランド品が半値以下で売られていたら、いわゆる「パチもの」か、泥棒がビジネスモデルのお隣の国から来た偽造品ではないかと疑うのが普通です。

それで数多くの仕事をとられているのであれば、内容も優れているので、必要以上に自分を価格面で貶めていると言えるのですが、それで月に数件しか依頼がないとすれば、こいつはヤバいと思われている可能性も高いと思いますし、品質の担保もなく、同業者の信用失墜にいち役かっているとしかおもえません。

私にはいわゆる「ワケあり商品」としか見えないのですが、もし、単なるフロントエンド商品として出していて、あとでいろいろ追加費用をとるというのであれば、これはこれで同業者の評判を落とすだけだと思うのであります。

私の事務所は財産額によって多少の高低はありますが、重みを考えて基本的には弁護士並の報酬にさせていただいています。そのかわり桁外れに丁寧な仕事をしますけどね。