
前職は管理職の端くれでしたので「人を育てる」ということにかなり気を使った経験があります。この仕事は自営業ですから、そんなことに縁がなくなりましたが、補助者を使っている事務所の先生はそういうことに気を使うことも多いと思います。
団塊ジュニア世代が受験に本格参戦する少し前から受験業界にいたせいか、自分より若い世代の考え方の変遷は他の方より肌感覚で感じています。ですから私より上の世代が、若い世代に甘えるなとか、無能だとか、自分で努力しろとか語るのに少し違和感を感じています。
自然科学でも社会科学でも、科学と名のつく学問は後で学ぶ人間のほうが学ぶ量が圧倒的に多いのです。何年も大学受験をみていると、英国はともかく、理社に関しては自分の受験生時代よりはるかに多くのことを覚えておかなければなりません。
これは、社会科学である法律学にも言えると思います。そう考えると、昔よりはるかに合格者が多くなった司法試験はともかく、行政書士試験は昔の合格者よりはるかに優秀な合格者が毎年出ているということになります。
となると、社会における、または業務における経験値の差が埋まってしまえば30年やっていますなんていうのは屁のツッパリにもならないでしょう。そういうこというと「書類ひとつでも奥が深い。それができるのはベテランだ」とか言われる方がいますが、そういうことを言うこと自体差がないことを認めているのではないでしょうか。
私は、先人に学ぶことを否定するものではありませんが、あとに来る人間の邪魔をするような方は市場から退場していただいたほうが業界の発展に有益だと最近思っています。
私は若い人を育てる方法ということにひとつだけ答を持っています。それは「成功体験をもたせること」それだけです。
「やってみせ,言ってきかせて,させてみせ,ほめてやらねば,人は動かじ」
というのは人を育てる際の心構えとして有名な言葉ですが、若い人には百の褒め言葉よりひとつの成功が人を大きく成長させると信じています。そして成功させるときには上に立つものは常に陰にいればいいのです。