18.3 house number/buiding numberというもの【続き】


日本の、各家屋の住所表記の一般的型は、次のようなものである。


 ・都道府県+(郡)+市+町村区+丁目+番地


このうち、「番地」なるものは、その性格がはっきりしていない。

と言うのは、私の家の住所を例にとって考えてみる

(小山田注:小笠原先生に掲載の許可を頂いています。

ちなみにこちらは、以前の日本英語教育学会事務局でもありました)。


  東京都杉並区南荻窪3-17-5


3-17-5は3丁目17番地5号の略記であるが、3丁目の番地としては1番地から31番地まであり、

この番地は10数軒の家屋からなるブロックからなっている。

3丁目17番地は15軒ある。最後の5が、もし米国などで言う house number と同様なものなら、17番地は

house number 1 ~house 15 のようになるはずであるが、最後の5は、わが家とその右隣の家の2軒である。

その点では、日本の住所の最後の数は、house number と似ているが少し違う。同一の house numberを

2軒が共有していることなどないからである。


私がいくつか現地で観察した範囲では、house number のつけ方は次の2通りがあり、A型のほうがより多く見受けられた。


[A] |60 62 64 66 68 70 72 74 76 78|  |80 82 ・・・

    --------------------     ------

          street

   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー---    ------

   |61 63 65 67 69 71 73 75 77 79|  |81 83



[B] |60 61 62 63 64 65 66 67 68 69|  |70 71 ・・・

    --------------------     ------

          street


house numberがどこにつけられているかというと、道路沿いに設置してある郵便受け(mail box)か、

門がある場合はそこに、またもし front door(板製か鉄製) の真ん中からやや上方に付けられる。

 

 

 18.4 英語国の住所(所在地)の示し方(典型例)


英米などの住所や所在地(address)は簡単で、次のように示している。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   | house number + Street Name     |

   | + 都市名 + 州名(など)       |

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

具体例を示してみる。

   

       James White

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

   | 12 Park Street               |

   | Boston, Massachusetts,          |

   | U.S.A.                     |

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



18.1.「玄関」とfront door



 家屋の入口である「玄関」という語の漢字の意味などをしらべてみたこともなかったのであるが、それが今回は父が大学生時代に使っていた古色蒼然とした『大辞典』(約3,000項 大正6年刊)を引っ張り出して当ってみた。



 「関」は〈ふせぐ、ふさぐ〉という意味、「玄」は〈おおう、くらい、くろい〉という意味であり、この2字を複合させた「玄関」とは、結局〈出入口〉とか〈関門〉ということであることを知った。



 私が教えた大学生たちに、「玄関」のことを英語でなんと言っているか数人に訊ねてみても、「さあ?」と当惑顔をして見せるのには意外であった。「 front door と表わしているんだ…。」と言うと、そういうものかという顔になる。



 厳密には「玄関」= front door ではないと考えることもできる。

 front door はドア一枚であるのに対し、「玄関」はドア一枚だけではなく、そこを入ったところの靴を脱いだり、傘立てがあったり、段差があったり、畳2、3枚分くらいの間があったりする(この部分を英語で表わせば entrance hall とでもなるであろう)。



 なお状況から、 front door のここと分かれば、 There’s somebody at the door. / There’s a visitor at the door. のように単に the door と言ってすませていることもある。





 18.2.(а)live next door to ~ 



 「XはYの隣に坐る」は中1の後期か中2のはじめに普通習うもので、X sit next to Y のように、 next to ~ を使って表わしている。

 「X(建物など)はYの隣にある」はX is next to Y で表わせる。



 動詞が live の時は家屋との連なりが強く、通り(道路)の方からみると、一軒一軒の玄関のドア( front door )が目に入ってくるので、単に live next to ~ より、 live next door to ~ と表わしていることが多い。



 隣の家は左右の両方にあることが多いが、 next door が右側の家のが、左側の家のかまでは言わずにすませている。






 18.2.(b)three doors down


 


 ある人(例えばMr.Harris)の家を探しているとする。もうその近くかあたりに来ているのだが、よく分からない。思い切って誰かに訊いてしまおうと思って、とある一軒の家の門なり玄関の呼び鈴なりブザーを押してみると、その家の人が顔を出す。そこで、「Mr.Harrisさんの家はこの辺でしょうか?」と言うと、運良く「5件先です」と教えてくれる。こういうやり取りを、ここは再現してみよう。




 J:Sorry to bother you, but I'm looking for Mr.Harris's house. He is supposed to live around here.  


 A:Oh, he lives five doors down from us.


 J:I see It's close,. Thank you very much.




教えてくれたAは、単に ”Just five doors away”と言うかもしれない。日本人ならtなりの家からいって5番目の家であるから、”His house is th fifth from our house.” などと序数詞を使って表すところである。それを玄関に着目して ”five doors down”なり、”five doors away”と表しているのである。




 [注] five doors down とは、five doors down the street の省略表現。down the street とは、<この通りを先に行く>ということである、平均的日本人はこういうことさえ表現できないものである。






 18.3.house number/building number というもの





 一戸建ての住所やビルの所在地の表記構造の日英比較も、英語学習の早い時期にしてみる必要がある。私の場合、英語の住所/所在地の構造を知ったのは、英米人との文通とか、主として英米の出版社発行の洋書からである。




 [付]「三井物産の住所/岩波書店の住所」という日本語は妙である。会社や役所には、(原則として)人は住んでいないからである。代わりに私は所在地という語を(硬い語であるが)使っている。






17.1.yard 対 garden(1)

 家屋には「庭」があることが多い。私など中学校(旧制5年制中学校の最後の卒業生である)の時は、「庭」 = garden という単なる等式で済ませていたものである。旧制高校、大学英文科の時代には、高級な英米文学、英語学の専門購読や演習の時間には、日常(日用)英語の基礎英語や私の言う Real English など、大学の英語の授業でとり扱うことでないとされていたのであろうか。

 その頃私は、学校外で何人かのネイティブ・スピーカーと友人になって、それこそなんでも訊ねまくっていたものである。まだ時代がいまと違っていたので、米国や英語くに簡単には行けなかったし、経済的にも1ドル360円の時代であった(管理者注:このブログ記事を書いている現在では円高が進行しており、1ドル70円台であるため、海外旅行や海外企業のM&А等が進んでいる。)。しかし東京都心には多くの米国人、それから少数の英国人が住んでいたり、働いていたので、そういうところへ出かけて行って、用意しておいた英語についての質問をしたものだ。

 なぜか、私が出会ったこれらのネイティブ・スピーカーは、いやな顔などあまり見せず、私の相手をしてくれたものだ。質問事項によっては、神や私の雑記帖に図解してくれたりした。

 家の「庭」にあたる英単語のことも、こうして聞き出したのである。

 LО:「米国の一戸建ての家では『庭』があるのか?」

 А:「 yard と呼んでいる。」

 LО:「庭にはどういうものがあるのか?」

 А:「多いのは、芝( lawn )が張ってあり、郊外の家などにはプールがある(農器具を洗ったりするためである。アヒルや鴨が泳いでいる)。」

 LО:「 pond (池)はある?」

 А:「 pond は農家の庭や農器具小屋の近くにはある。」

 LО:「 yard には草花など植えてないのか。」

 А:「そういうのは garden とか呼んでいて、 yard の一部が garden になっている。 garden のない、ただ芝生が広く広がっているものが多い。そういう場合は There’s a garden in my yard. ということになる。」

 その日帰宅し、英国感の英英辞典で調べてみると、 yard とは「中くらいの広場」、「置き場」のこともあった。

 LОの友人が挙げている上記の英文例を巡って、興味深いことがあったのである。

 開隆堂出版で昭和50年(1975)頃に刊行していた検定中学校介護教科書The New Prince English Course Book 1 に、先の ”There’s a garden in his yard.” という英文が本文の中に使われていたことがあった。

 同社の営業部員がこの教科書の見本本を持って、いくつかの中学校を回り見本本を贈呈したところ、ある中学校の英語かの教師が次のように述べたとか。

 「この英語の教科書には ”There’s a garden in his yard.” などという妙な英文があるが、 garden = 「庭」、 yard = 「庭」。したがって「彼の家の庭の中には庭がある。」という妙な内容の英文になってしまうが、この内容は「彼の家の庭」の中には別の「庭」があって、内容的にはおかしいことになる。こんな英文を載せている教科書は不適切であるから、採用できかねる。文部省の教科書検定をよく通ったものだ…。」

 つまりこの中学校英語教諭は、 garden = 「庭」、 yard = 「庭」と機械的に考えたからであろう。

 しかしこの英語か教員の単に通俗的訳語による英語の理解は、感心できないものである。

 garden = 「花や草木を栽培している庭」、yard = 「もともとは、貨物などを一時期だけ置いておく空き地など」

 
 米国などの広々とした庭は〈芝生一面〉といった感じで、草花などあまり栽培してはいない。したがって garden とは呼びにくいので、開拓時代には単に yard と呼んでいて、 garden とは呼びにくかったのであろう。

 英国の郊外の家などでは、庭は草花を栽培していて flower garden であり、それはいわゆる English garden と呼ばれている。 English garden と題する本や雑誌もあるほどである。

 一方米国の庭は、草花などそれほど植えていなくて、一面芝生が拡がっているので、garden とは呼びにくいのであろう。


 17.2.(a)front yardbackyardsidewalk

 私は生まれてから、いまや私の最晩年の今日まで、一戸建ての家に住んできたので、家のまわりを庭が囲んでいる形になっている。その庭を区分すると、「前庭」、「側庭」、「裏庭」の3つに分けられる。その点では米国の郊外の典型的な住宅地( residential yard )でも同じことであるが、2、3異なっている点もある。

 (1)日本では、家屋同士が道路に沿って並んで建っている時、各戸の左右は、敷地がたいしてないこともあって、左右の隣の家との間の庭は狭いので、 side yard はほとんどないとろが多い。

 (2)前庭と裏庭とでは、日本の裏庭は台所(勝手口)、同居場に面していて一般に狭く、またそこに物置などがあったりする。
 米国、英国、カナダ、オーストラリアなどでは、母屋(おもや)は敷地の中でも道路に近いところに建っていることが多いということは、前庭はたいして広くなく、裏庭はその何倍も広いのである。

 米国人などに訊ねると、 front yard より backyard のほうが広々として、緑の芝生のが拡がっていて、落ち着けて、またくつろげもして快適なところであると言っている。その点、日本の裏庭とは大違いである。

 米国やカナダ、オーストラリアなどの back yard では、よくホーム・パーティーをしたり、バーベキュー( barbecue )をしたりしている。

 米国の子供の絵本などには、 The family went on a picnic in their backyard. といった英文があって、私など興味深く思ったものである。


 17.2.(b)fresh from our Garden

 これは米国のある店先に掲げてあった掲示文である。どういった店なのか見当がつく人とつかない人とに分かれるであろう。ネイティブスピーカーならつくはずである。

 これはあるスーパーマーケットの野菜部門の壁の上方に大きく掲げてあったもので、私にはこれは Fresh from our Vegetable Garden の省略であると解釈できたのである。

 our Vegetable Garden とは〈直営の野菜農園〉ということであり、 Fresh from とは〈とれたてのを直送した〉という気持ちである。

 いずれにせよ garden には  flower garden / rock garden / vegetable garden などと種別がある。


 17.2.(c)yard sale

 米国の郊外の住宅街を散歩していると、個人住宅の front yard や back yard に、その家で不要になった物品をシートなどの上に並べて売っているのを、目撃することがある。

 いわゆる「フリーマーケット( flea market )」は、何人かの個人が合同で広場だの公園の一部を使って販売を行うのとは sale という点では同じだが、その場所は対照的である。

 17.3.「動物園」「植物園」を garden を使ってあらわしてみよ

 「動物園」= zoo であると憶えていて一応差し支えないし、英米の幼少児もそうであろう。しかしネイティプ・スピーカーは大人になる頃までには、 zoo は正式名称 zoological garden の略形であることを知ることになる。

 「植物園」は botanical garden である。いずれも学問の名称 zoology(動物学)、 botany(植物学)からの派生語 zoology 、 botanical を使っている。

 それにしても植物園が garden の一種であることは自明であるが、動物園が garden とはなぜかピンとはこない向きもあろう。多くの内外の動物園は、動物の檻(おり)があるだけではなく、檻より広い場所に草木を配置した中に飼われていて、その部分は garden でもあるからである。