24.1.How do you do? は堅苦しい「初めまして」である


戦時中の旧制中学校(都立九段中)の生徒であった時、初対面の時の英会話などは特に習わなかった。

ただ一つ<街で人に道を教える英語表現>だけが英語のリーダー(読本)のBOOK1の終わりかBOOK2の始めの一課をなしていただけであった。


私の旧制中学校生活は、終戦の日(昭和20年(1945年)8月15日)から後半に入ったのであるが、終戦の年の秋には占領軍として米軍が日本に駐屯し始めたこともあって、急に英会話(人によっては米会話と呼んだのである)ブームになって(小山田注)、際物(きわもの)の薄い小型英会話マニュアルがいくつも刊行されたものである。

それらのいくつかは、私も記念のために買っておいたので、私の書庫のどこかにあるはずである。時代が悪かったので、粗末な紙を使っていたので、もうすっかり黄色くなってしまっているはずである。


こういう英会話の本の始めには、必ず “How do you do?”(初めまして)が出ているのである。そして2度目に会ってからは “Hello.”ですませる、と出ているのである。

しかし私の体験では、初対面でも多くの人は “Hello.”ですませていて、なかには初対面でも “Hi.”ですませている人々、特に若者が多いのである。

次回の24.2では、“How do you do?”であろうと“Hello./Hi.”であろうと、それに続く決まり文句を取り上げることにする。


注:1946年(昭和22年)から5年間放送された、NHKアナウンサー平川唯一氏によるラジオ番組『カムカム英語』が人気を博しました。


22.1.Let's call each other by your first name


英語では、last name(英国英語では surname)を使う時には、普通は Mr. / Miss/ Mrs. / Ms.などを

その前につけることになる。一方、first nameにはそういう問題はない。

それに first nameで呼び合う仲になれば、親しさも増すことになる。

もっとも、それは二人の年齢差がほとんどないか、片方が年上、もう一方が年下の時である。

年齢差がある年上や先輩には Mr. / Mrs. / Ms. などを付けて言うのが普通である。

[付]Ms. の読み方は [miz, ミズ]である。なお、Mrs. の読み方であるが、多くの日本人は[ミセス]と言っているが、英語にはそういう読み方はない(注:正しくは [misiz, ミスィズ]である)。



22.2.Let's go on a first-name basis



上の22.1の見出し英語文と同じ意味の別の表現である。交際が始まったごく初期に、

<苗字を使った堅苦しい呼び方より、first nameを使って呼び合いましょう>と提案されたのに、

そうしないで苗字のほうで呼びかけ続けたら、相手は<あなたはfriendlyな人でない。

そういう人とは交際しにくい…>と思われるようである。



22.3.term of address(ing)



<人に呼びかける行為>のことを文化人類学や言語学の英語では、term of address(ing)という用語を使っている。

addressという語には「住所」とか「演説」以外に「呼びかける」とか「呼びかけ」という意味もあることは、

英語の基礎知識の一つである。




23.call~(人)nameとは


次の2文を比較してみる。


 (a) Tom called my name.

 (b) Tom called me names./ Tom called me a name.


この(b)のほうには、単に「私の名前を呼ぶ」ことではなく、<私を侮辱するために悪い名を使ってののしる>ことである。

例えば、“a lazy guy”とか“a noughty boy”とか“a prostitute”とか“a street girl” などと言うことであり、

それは本人に直接言うこともあれば、他人に告げ口をすることもある。



21.1.お名前を教えて下さい。


Will / Would you tell me your name?


あるいは、


Will / Would you give me your name, please?


などと言っている。場合によっては、省略文の


Tell me your name, please.


などとも言っている。

(小山田注:What is you name?は、

警察官による尋問か子どもに対して聞くような響きがあります)



21.2.お名前はどう書くのですか?


ある日本人の名前が「秀夫(ひでお)」であるとすると、

日本語では「どういう漢字ですか?」などと訊くものである。


横文字言語の場合は、仮名や漢字の問題はない代わりに、

そのスペリング(綴り字)を知りたいことがある。私の場合、

OGASAWARA は長い名前だが、「林樹(りんじゅ)」のほうは

ローマ字でどう綴るのか訊かれたり、こちらから言ってあげたりする。

上掲の日本語の質問は、英語の場合には次のようになる。


How do you spell your name?



21.3.「旧姓」に当たる英語は?


男性と女性が結婚すると、通常は夫の姓(苗字)に改姓することになる。

と同時に、妻のそれまでの姓は「旧姓」と呼ぶことになる。

これに当たる英語は、“(~'s) maiden name”と呼んでいる。

maiden [名] は<未婚の女性>ということであり、maid [名] はこの語の短縮形。

maiden nameは、結婚によって夫の名前に改姓したmarried nameに対する物である。

(小山田注:男性が婿養子になるなど結婚した場合も含める場合の「旧姓」は、

original family nameと言います。

また、「旧姓に戻る」は revert to one's nameなどと言います)。