31(a) pedestrian(s)とwalker(s)


いずれも<歩く人>のことであるが、pedestrian(s)は街中の場面で、自動車や市外電車(東京なら「都電」)に対する歩行者のことを表している。walker(s)のほうは、take a walk する人のことで、<ぶらぶら歩きをする人>、つまり「散歩する人」のこと。



31(b) pedestrians' streetは何曜日で、その時間帯は?


pedestrian's streetとは、いわゆる「歩行者天国」のことである。「歩行者天国」などというものは、考えるまでもなく、自動車先進国であった米国や英国から来た制度であると思っていたが、ある秋の夜、ロンドンでたまたま通りかかった大通り(Oxford Street)が「歩行者天国」で、車道に歩行者が溢れんばかりであった。私は、この時とばかり、夜も明るくして営業中の店のショーウィンドー(shop window)をのぞくのが好きなので、歩道を歩き続けていたが、一方の目は車道上の人々に向けられていた。

はてな、今日は日曜でもないし、土曜の夜(Saturday night)でもないし…と思ったりしていると、偶然歩道と車道の境目のところに建てられている公示板の文章に目が行ったのである。


Notice

Pedestrian Street

every Friday

17:00-21:00

London Traffic Authority


なるほど「歩行者天国」のことを英語ではこう表すのか、土日ではなく金曜の夜かと、これで全て合点が行ったのである。30.1.(a)で解説した週給(weekly pay)は、金曜の夕方終業時に支給されるのかと、知ったのである。この給与をもって、妻や子どもと合流して街にくりだすわけである。


[補] 日曜日が英米などでは歩行者天国ではない理由


英米などの多くの国では国民のほとんどはキリスト教徒であり、彼らにとって日曜日は静かに祈りをする日(Sabbath Day)であるからである。

30.1.(d)「サラリーマン」に当たる英語は salarymanか?


戦時中の旧制中学校で「サラリーマン」は英語では、“salaried man”と言う、と習ったものである。しかし、当時の先生は、英語圏における週給の存在だの、salaryをもらっている階層の話しなどはされなかった。だからと言って、当時の英語の先生を責めることは出来ない。先生方は英米に行く機会も無く、また多くの洋書を読むこともあまり無かったのである。



30.1.(e)「サラリーマン」を英語で表すには


英米では、salaryを取っている人たちは、工場や商店などで働いているのではなく、オフィス系で働いているので、office worker(s) と表しておけばよいであろう。


[付]「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」


今時の若い日本人が、この二つのカタカナ語を知っているか、また知っているとして、ここでの「カラー」の意味を知っているのかどうか。私は、早大、慶応大での定年制度によって大学教員の職を去ったので、大学生を使っての彼らの語学知識の実態を調査することが、今では出来ないのが残念ではある。

ここでの「カラー」の直前に「ホワイト」とか「ブルー」という色彩語が使われているので、「カラー」はcolo(u)rのことと取ってしまうかもしれないが、実は“collar”(シャツなどの襟)のことである。オフィス系、つまり事務系の者と、工場などの現場系の者とを対照的に表現したものである。

“white-collar”にしろ“blue-collar”にしろ、語法的には形容詞なので、英語では、“white-collar worker”や“blue-collar worker”の形で使われることが多い。

ここで言いたかったことは、white-collar workerの多くはsalaryを、一方blue-collar workerのほうは weekly payをもらっている、ということである。



30.1.(f)「OL」は英語か?


“OL”は、日本人が作り出した略号(略称)である。多分、“office lady”の略語というつもりであろうが、そもそも現代英語では、“lady”という語は敬称に近い語で、それ以外の状況でやたらと使う語ではない。女性が自分のことを “office lady”と表したら、おかしなことと取られよう。では、ladyの代わりにwomanにしてみても、なんでわざわざ womanと言うのか、男か女か見るなり前後の文脈から分かるのであって、“office-working woman”などと言うこともない。要するに、女性の office wirkerなのであって、それにいちいち性別を付して表すこともないのである。

結局英語では、「サラリーマン」も「OL」も、office workerすませて表せばよいのである。


30.1.(b)週給社会におけるsalaryというもの


日本では、「僕の父はサラリーをとっている」とか「うちの夫はサラリーをとっている」などと言ったら、聞いたほうは何でそんな当たり前のことを言っているのだろう、と思われてしまう。


ところが、英米などでは週給社会であるから、多くの平均的な人は salaryではなく、weekly payをとっているのであり、そういう中でsalaryをもらっているとお言えば、いわばエリートの一人であることになる。


したがって、“My husband geta a salary.”と言えば、少し自慢話に響くであろう。なお、salaryは月1回に出るのであるが、その支給日が日本のように月末なのかどうか、私には未詳である(日本では、公務員は16日、17日頃である)


[注]欧米人は、給与の額を言う時は、年いくら(年額なり総額)を言うのが普通である)。



30.1.(c)欧米では、ボーナスは月給の何ヶ月分ということで出るのではない


よく言われていることであるが、英米、特に米国では給与の額の決定は、その人の能力の高低によって決められているのである。したがって、ボーナス(bonus)も給与の何倍かは個人、個人によって違って来る。


これに対し日本は普通は「年齢給(age-based pay)」であると言われている。だから、一部の日本人は、平気で自分の月給はいくらである、と言っていることがある。かく言う私は、長いこと国立大学、文部省から月給が支給されていた身で、その額はたいした物ではなかったので、妻から「月の収入が低いからろくな暮らしも出来ない。こんな男と結婚して大失敗だった」と年中ぼやいているのである。これに私のほうは「僕の収入が低く設定されているのは、僕の責任ではないよ。国家の責任さ・・・」と言うことにしている。