34.(1)sleep in bed と日本でのベッドの使い方(比較)


戦後しばらくして日本人も経済的に余裕が出て来て、日常生活のある面は西欧的になってきたのであるが、その一例としては、ベッドで寝る人が増えて来たのである。そういう私と家族も皆ベッドで寝ているのである。しかし興味深いことは、同じくベッドに寝ていると言ってもベッドの構成が違うのである。これまで私が出講していた日本女子大学文学部英文科の私の授業での生徒とのやり取りを再現してみる。


O:「皆さん、ベッドで寝ている人?」

S:「ハイ」「ハイ」「ハイ」

O:「では訊きますが、ベッドの上にはまず何がありますか?」

S:「布団です。掛け布団です」

O:「英米人もそういうふうに寝ていると思いますか?向こうには布団は普通はありませんよ。だから寝ている人の体の下も上もシーツです。つまり、いわばシーツの袋に入って寝ているようなものです。ホテルで夜寝る時もそうでしょう。上下のシーツの端はそろえて、ベッドの枠とその上のマットレスとの間に挟み込んでいるのです。これを、tuck in between the mattress and the bed と言っています」






33.(11)子ども部屋とchildren's room


我が国の何省が企画、実施したか、私の記憶は定かではないのだが、ある時、数ヶ国の家の大きさ(広さ)や間取りの国際調査をし、その結果が発表されたことがあった。このアンケートの原文は、まず日本語で作られ、外国用には、それを英語に直したのを使ったらしい。


その調査の項目の中に「子ども部屋」がきちんとあるかどうかというのがあって、その「子ども部屋」をChildren's roomと表したのであったらしい。


アンケートの結果を整理分析したのが、当時の新聞、テレビで発表されたのを見て、意外な報告に驚いた人々がいたのである。外国の家には、子ども部屋がないところが多く、日本にはある家がはるかに多いことになったからであり、これは予想とは反対の結果であったからである。それは、「子ども部屋」のことを Chidren's roomと訳したからであるというのが、私の仮説である。


私の英米の家を訪問した経験では、子ども部屋がたいていあったからである。各部屋を案内された時は、“This is Charles's (bed) room.”“This is Dorothy's (bed) room.” のように言っていたことが多い。人名の変わりに、“This is our son's room.” / “This is our doughter's room.” などと表すことはあるが、“our children's room”と表していることはあまりなかったように思う。


話しを国際調査の内容に戻すことにする。英米などでは、子どもの個室(bed room)の他に、地階(basement)に“children's room”と称することがある広いスペースがあり、正式には “recreation room”という名匠の大部屋があり、雨の日や夕方に、そこにその家の子どもや、彼らの友達が集まって、ゲームや踊りや、ピクニックをしたりするところがあり、私の米国の友人2、3人の家にもあったのを実際に案内してもらったものである。


しかしそのようなrecreation roomなりchlidren's roomを設けられる家は、家が比較的裕福な家であり、ない家のほうが多いので、先に紹介したような結果になったのであろう。


つまり“children's room”で日英でイメージしたものが異なっていたためである。

[注] roomを複数形にして children's rooms としていたら、結果はまた違っていたかもしれない。


33.(10)室内の「スタンド」には3種ある


普通の日本人の家庭では「スタンド」と言えば、勉強机に載せている「スタンド」である。「スタンド」に当たる英語を知らない大学生がほとんどであろう。stand などと言ってはおかしなことになる。勉強机のは、desk lamp である。

他の「スタンド」としては、床から1メートル60センチぐらいの高さがあり、モダンなリビングルームでソファの脇に置いてあるもので、floor lanm と呼んでいる。ホテルに泊まると、たいていの客室にあるものである。

もう一つのスタンドは欧米の家庭やレストランでは見かけたことがあるが、晩の食卓に載せる可愛らしく、おしゃれな小型の食卓にテーブルクロスをかけ、そこに table lamp が置かれているのである。高さは30センチほどであろうか。


[付]カタカナ語の「ランプ」は、普通の家庭ではなく、山小屋(mountain hut)に上方から吊るされたものだけを指しているのではないか。