(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)


67.3.その他の痛みの表現

他に、痛みを形容する時の表現をまとめておきます。

(1)軽度の痛み(疼痛) mild pain
(2)中くらいの痛み moderate pain
(3)ひどい痛み(激痛) severe pain
(4)鋭い痛み sharp pain
(5)鈍い痛み dull pain

この程度覚えておけば問題はないと思います。より専門的には、以下のような言い方もあります。

(6)断続的な痛み intermittent pain
(7)締め付けられるような痛み squeezing pain ※しぼるような
(8)刺すような痛み stinging pain
(9)突き刺すような痛み stabbing pain
(10)ずきずきする痛み throbbing pain

なお、「圧痛点」のことをtender pointと言います。tenderは、ラテン語のtener(影響を受けやすい)が語源で、「優しい」「か弱い」「触れると痛い」という意味もあるのは、そのためだと考えられます。

(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)


67.2.急性と慢性

痛みを形容する時、「急性の(acute)」と「慢性の(chronic)」で表わします。

その中で、acuteは、ラテン語のacus(針)やacuere(鋭くする)が語源です。興味深いことに、「かわいい」を意味するcuteは、acuteの語頭であるaが消失して出来た語のようです(19世紀にアメリカの学生の間でふざけてaを取って「かわいい」の意味で使用するようになったとも言われています)。

chronicは、chrono-が「時」を表わす接頭辞で、「時間がかかる」→「慢性の」の意味になりました。
chrono-が使用される単語としては、chronology(年表)、synchronize(同時に起こる)、synchronic(共時的な)、diachronic(通時的な)などがあります。


(今回も、私小山田が感じたことを雑多につづっていきます)


67.痛みの表現

痛みを表わす時、一般的にはpainを使います。

(1)I have (a) back pain.(私は背中が痛い)
(2)I have (a) pain here.(私はここが痛い)

ここで、painに不定冠詞がついたりつかなかったりするのは、話者がpainを抽象的にとらえた場合には冠詞がつかなくて、形容詞をつけるなど具体的にとらえた場合は冠詞がつくからです(もっとも、語調など理屈では説明しつくせない部分もあります)。

他に、のどなどがヒリヒリ痛む場合は、次のように言います。

(3)I have a sore throat.

また、長く鈍痛が続く時はache(エイク)を使います。おおむね、頭、耳、背中、お腹の4つに使われます(こちらは、不定冠詞が必要ですが、ネイティブによっては不要という人もいます)。

(4)I have a headache.
(5)I have an earache.
(6)I have a backache.
(7)I have a stomachache.

なお、heartacheは精神的な「心痛」の意味なので注意が必要です。文字通り心臓(胸部)が痛い場合は、次のようになります。

(8)I have a pain in my heart [chest].

専門用語では、cardialgia(カーディアルジア)やcardiodynia(カーディオディーニア)と言います。

他には、怪我による痛みの場合、hurtを使うことが多いです。

(9)My right leg hurts seriously.