クラシックの迷宮、NHKのアーカイヴスから、今年末に指揮者からの引退を表明している井上道義の世界、名曲アルバムの5分ほどの録音をいくつかと、井上がN響定期初登場の78年のライヴ録音から、1946年生まれ、斎藤秀雄に師事、71年のグイド・カンテルリ指揮者コンクールで優勝、ザルツブルク・モーツァルトウム管弦楽団と活動、ニュージーランド交響楽団も指揮、日本では新日本フィル、京都市交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢、大阪フィルの要職を歴任、78年のN響第752回定期演奏会、ロッシーニ、協奏曲、プロコフィエフ、ドビュッシーのもの、まず、ロッシーニのどろぼうかささぎ序曲、斎藤秀雄の得意であったロッシーニ、イタリアの世界、ラテン美をやってくれて、プロコフィエフの古典交響曲、井上はバレエに傾倒して、当初プロコフィエフに入れ込み、その後ショスタコーヴィチのスペシャリストだが、古典交響曲は軽快、楽しい世界を満喫できた。名曲アルバム、チャイコフスキーの眠りの森の美女からアダージョ、珍しいレパートリー、ニュージーランドの作曲家、リルバーンのアオテアロア序曲、フォーレのシチリア舞曲は東京フィルとのもの、名曲アルバムとしても意味のある録音、カタルーニャ民謡、カザルス編曲の鳥の歌、堤剛のチェロ、N響とのものはしっとりと素晴らしい、78年のN響定期、ドビュッシーの海、ラテンの響きを見事にやってくれて、今大指揮者の井上道義、若き日のライヴを満喫できた。