ベストオブクラシック、新鋭マエストロ特集、3回目はロシア生まれのアンナ・ラキティナ、昨年10月、ベルリン放送交響楽団とのもの、東欧ものとロシア音楽である。アンナ・ラキティナはウクライナ人の父とロシア人の母の間にモスクワに生まれて、ルツェルンのアカデミー、ロサンゼルス・フィルでドゥダメルのアシスタント、ボストン交響楽団のアシスタントもして、日本でも読響を指揮している。ヤナーチェクの、管弦楽のためのアダージョ、1891年の作曲、息子を亡くした悲しみのもの、地道で、しみじみとうまくやってくれていた。プロコフィエフのピアノ協奏曲第3番はアブドゥライモフのソロ、ウズベキスタン出身のピアニスト、日本でもN響と共演、このヴィルトゥオーゾの作品を、快刀乱麻を断つようなピアノで、アブドゥライモフのソロは疾走して、アンナ・ラキティナの指揮と、ベルリン放響の力量で見事にやってくれて、アブドゥライモフ、アンコールのラフマニノフの前奏曲とともに見事なものを聴けた。ドヴォルザークの交響曲第7番、ボヘミアの響きを、チェコ・ローカルの世界と、国際化された洗練された響きで素晴らしいものをやってくれて、大変に完成度の高いドヴォルザークの作品を満喫できた。