N響ザ・レジェンド、戦後クラシック界を支えた日本人演奏家たち、演奏と教育で大きな足跡を残したソリスト、指揮者らを取り上げるもので、松浦豊明が今回特集されて、1929年生まれ、戦後ベルリンに留学してケンプやナディア・ブーランジェ、ルービンシュタインに師事して、1959年にロン・ティボーコンクールで日本人初の優勝、1960年のN響世界旅行では、モスクワに行く際に飛行機が飛ばず、N響が演奏できなかった際に、松浦がピアノリサイタルをして窮地をしのいだこともあり、そのN響世界旅行から、モスクワ音楽院でのチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番、外山雄三の指揮で、これは2016年に出たCDに入っていたが、モノラル録音でも、当時のソリストのテクニック、オケのアンサンブルは今より劣るものの、本場の観客を前に情熱的な名演を展開しており、ドラマティックな世界を満喫させてくれて、素晴らしいもので、さらに、1976年の、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、尾高忠明の指揮で、当時教育者、演奏家をして、これは今でこそ若手ピアニストも弾いているが、松浦40代、尾高20代、充実した響きで、ロシアの作品をおどろおどろしいものではなく、実力はピアニストの王道の世界を満喫させてもらった。最後に、ベートーヴェンの三重協奏曲から第1楽章のみ、江藤俊哉のヴァイオリン、堤剛のチェロで、81年、森正の指揮で、松浦とともに日本音楽コンクールの優勝者、日本音楽コンクール50年のライヴ、第1楽章のみではあったが、当時充実していたこの国の音楽界の魅力を見せてくれるものではあった。