N響創立90年を記念して、1960年に行われたN響の世界一周演奏旅行のライヴ録音がCDになった。これを見て驚いたのは、当時、オーケストラの世界旅行は1959根のカラヤンとウィーン・フィルしか前例がなく、そして指揮者も、当時の常任のシュヒターはヨーロッパでは知名度がなく、日本人指揮者、それも当時20代の岩城宏之と外山雄三を中心にしたものであり、一部エアチェックした録音もあるが、オーケストラのアンサンブルなど今より粗雑ではあるが、当時、日本の音楽界の総力を世界に見せつけるべく、N響の理事長、有馬大五郎の尽力で、これだけの熱演が行われていたとは驚きであり、CDの構成で、交響曲3曲がCD2枚にまたがっているが、録音の貧弱さを超えて、胸を打つものがあり、大変な情熱であり、ここで演奏している面々の多くは鬼籍に入ったが、大変な熱演に、こんなイベントは、もう今の日本では到底できないものであり、クラシック音楽界が衰退した今、CDで過去の栄光を見せつけられて、何か複雑な思いもあった。

