この日は都響の神聖なブルックナー公演の後に、さらに神聖なタリス・スコラーズの来日公演に行きました。タリス・スコラーズはルネサンス音楽の世界最高峰のアカペラ合唱アンサンブルですが、今回は結成50周年記念のツアーで、指揮のP.フィリップと女性6名、男性4名の編成で来日しました。タリス・スコラーズのCDは数枚持っていましたが、頭が疲れている時に、癒されるためによく聴いていましたが、曲目などはあまり覚えず、ただ美しい宗教音楽に耳を傾けるだけでした。今日の曲目は、目玉のアレグリ作曲の「ミゼレーレ・メイ・デウス」を中心に、16世紀の宗教音楽を中心に構成されています。筆者は宗教音楽に詳しくありませんし、基本的には美しいコーラスをただ聴いているだけですので、いつものような分析や解釈は致しません。この公演は満席御礼のようですが、神聖な音楽・空間だったためか、終演後にはブラボーはありませんでした。


前半の最初の3曲は6人による合唱ですが、どれもとても美しく、東京オペラシティ(以下、TOC)が教会になったような空間になります。今日の公演はNHKの4Kカメラが入っているので、4K放送で見ると画質・音質がかなりリアルに再現されて観ることができると思いますので、是非、ご覧ください。4曲目のフェスタ作曲の「あなたは何ときれいで」は女性3人・男性1人の4人(指揮者無し)になりますが、この曲が前半の白眉でした。宗教音楽にありがちな「憐み」「罪」「救済」などのネガティブなワードが歌詞に無く、クリスタルのような美しい輝きのある歌唱でした。この曲は祝婚歌なので完美であるのが納得がいきましたが、ソプラノの声は天井まで突き抜けるような響きは秀逸でした。


後半はバチカンのシスティーナ礼拝堂の400年前の礼拝で歌われた門外不出の秘曲「ミゼレーレ・メイ・デウス」(アレグリ作曲)では、TOCの2階のオルガンの上手側に男性1名、下手側に女性3名・男性1名、ステージに女性3名、男性2名の配置になります。この曲からやっと10名のフルメンバーでのコーラスです。立体感と奥行き感が際立つ礼拝堂のような輝かしい空間となり、美しい歌唱に没頭してしまい、あっと言う間(約13分間)に終わってしまいました。この曲のCDは会場で3000円くらいで販売されてましたが、Apple Music Classicalではタリス・スコラーズの録音が50本くらい入っていて、アレグリ作曲の「ミゼレーレ」も聴けるので↓、この曲を寝る前に聴くことにしました。


CDで買いたい方は、こちらが便利だと思います↓。


本日もお読み頂きまして、ありがとうございました。


(評価)★★★★ 心が清らかになるコーラスでした!

*勝手ながら5段階評価でレビューしております

★★★★★: 一生の記憶に残るレベルの超名演 

★★★★:大満足、年間ベスト10ノミネート対象

★★★: 満足、行って良かった公演

★★: 不満足、行かなければ良かった公演 

★: 話にならない休憩中に帰りたくなる公演 


出演

指揮:ピーター・フィリップス

合唱:タリス・スコラーズ


曲目

パレストリーナ:ミサ曲集 第9巻(主よ、われ身に依り頼みたり>ーキリエモラレス:天の女王、喜びませ(レジーナ・チェリ)

パレストリーナ:ミサ曲集 第12巻 (汝はペテロなり>ーグローリア

フェスタ:あなたは何ときれいで

カルパントラ:エラミアの哀歌

パレストリーナ:ミサ曲集 第2巻<教皇マルチェルスのミサンークレド

《休憩》

アレグリ:ミゼレーレ (神よ、われを憐れみたまえ)

パレストリーナ:ミサ曲(主よ、感謝を捧げます>よりーサンクトゥス

ジョスカン・デ・プレ:万物の連なりを超えてパレストリーナ:ミサ・ブレヴィス、ーアニュス・デイ

《アンコール》

Henry Purcell: Hear My Player, O Lord (「主よ、我が祈りを聞き給え」)