(モンテカルロのカジノの中に劇場があります)


今日と明日はモンテカルロ・フィルのコンサートが東京であります。モナコは人口4万人で、高齢化率が36%で世界1位、2位が日本で29%です。モナコと日本の高齢化の人口動態は異なり、モナコは引退したセレブが住む街なので、シニア層が多く、セレブと金持ち観光客ばかりなので、物価が本当に高いです。筆者はモンテカルロ(モナコの首都はモナコ市で、モンテカルロは中心街のことです)に4回行きましたが、レストランは高い上に味はそこそこ、10年前に行った時は初乗りのタクシーが20ユーロと言われて、ヨーロッパ随一の物価の高さを感じます。モンテカルロへは、フランスのニース空港からのバス、タクシー、ヘリコプターなどのアクセスがありますが、筆者が宿泊する「オテル・ド・パリ」に空港からホテルまで車の手配をお願いしたところ、ロールス・ロイスともう一台の車が空港に待ってました。ロールス・ロイスはスーツケースがたくさん入らないので、荷物用の車が一緒にいたんです。こんな贅沢なサービスはあまり見たことがありません(これは過剰なサービスなので、帰りは普通のベンツにしました)。ちなみに、このホテルの上階にある「ル・グリル」はマリア・カラスが「一度に3カ国を眺めながら食事したい」と言うことで出来たレストランです↓。

お金が余っている人が遊びに行く街で、街の風景や観光・食事などを楽しむのなら、私ならイタリアのアマルフィ、ポジターノ、ポルトフィーノあたりをおすすめしたいです。


モンテカルロの中心はなんと言っても、「モンテカルロ・カジノ」でしょう。この施設には劇場などが入っており、モンテカルロ・フィルもここで演奏します。モナコが裕福になったのは、19世紀末にカジノができたことによると言われています。筆者が泊まってるホテルの横に、このカジノに劇場が併設されているのですが、4回の滞在で、一度もこの劇場でモンテカルロ・フィルを現地で聴いたことがありません。モンテカルロ・フィルはこの劇場のオペラやミュージカルで演奏することが多く、コンサートは月に2つくらいのプログラムしかなく(しかも各1回)、そのため、実演でこのオケを聴いたことがありません。これは上記で書いた人口の少なさが影響していると思います。かつて、日本でお馴染みのヤノフスキがこのオケの音楽監督(2000-2006)を務めていましたが、その活動の印象がありません。むしろ、観光客向けのミュージカルの方が公演回数が多いと思われます。


こちらは昨シーズンの定期演奏会などのラインナップですが、東京で言うと東京シティフィル並みの定期演奏会の回数です↓。


ここに、昨シーズンの山田和樹の現地テレビでの新シーズンについてコメントしている映像があります。山田さんは英語で話しています↓。


音楽監督ではありますが、山田さんのモンテカルロでの公演回数がそれほど多くないので、日本のオケや合唱団のポストなども兼任することができたのだと思います。


加えて、録音も極めて少ないです。山田和樹さんが音楽監督になってからのベルリオーズの幻想くらいがよく売られているCDかと思われます。


演奏会も録音も少なく、そのためこのオケの実体や実力は不透明なところがありますが、山田和樹の指揮でこのオケがこの2日間でどれだけの実力があり、本領を発揮してくれることを期待したいです。しかし、他の方にはこのオケはとてもリスクがあるので、今回の来日公演はおすすめしません。