今日は久しぶりにLFJを聴きに東京国際フォーラムAに行きました。今年のGWの東京のクラシック公演は不作で、興味のあるコンサートがあまりありません。今日のこの公演とブルーノート東京でのミッシェル・カミロのライブくらいです。カミロはラテン・ジャズのピアニストの世界No.1で、清塚信也さんも世界で2番目に素晴らしいピアニストと言ってました(ちなみに、1番はアルゲリッチ)。 


指揮者のアルミンクを見るのも久しぶりで、前回は10年以上前に新日本フィル音楽監督としての最後のコンサートで、マーラー3番を聴きました。この時はアルミンクの女性ファンの方々が最前列に座っていて、第6楽章の冒頭の弦楽合奏のところで感涙されていたのを覚えています。彼が日本のファンに愛されていた証左でしょう。そのアルミンクは50歳を超えて、白髪混じりになっていました。赤いネクタイは、オーストリア人🇦🇹らしい国旗の色でした。今回のLFJ公演は満席に近くて、ホールAを埋まる要因はメンコンだからでしょうか。


1曲目のジークフリート牧歌は、ホルンが不安定で、木管の音も硬いので、良いBGMとして聴けましたが、ワーグナーの楽劇をイメージできませんでした。この曲では木・金管は全員女性で、Vnもコンマス以外は全員女性で、女性が中心でした。


2曲目のメンデルスゾーン前のチューニングを聞いていると、このオケがアカデミー要素が強いためか、楽器のクオリティがあまり良くありません。アカデミーなので仕方ないので、今日の評価は甘口にします。第1楽章の冒頭からアルミンクはオケの音をかなり抑え目にして、辻のソロを際立てるようにしていました。カデンツァを含めて、辻の演奏は堂々としていました。しかし、オケのアンサンブルがやや乱れる点があり、これはリハ不足によると察します。辻もいつもよりは、観客よりはオケの方を向いて、きちんと合わせながら演奏していました。第2楽章の哀愁漂う旋律では、辻の独特の動きのあるスタイルの演奏で展開され、表情豊かで素晴らしかったです。まさに歌うようにヴァイオリン弾いていて、「歌うヴァイオリニスト」と思えてしまいました。この楽章が今日の白眉でした。第3楽章でもアルミンクはオケを伴奏に徹し制している指揮も良かったです。コーダにかけての辻のソロの追い込み方も秀逸でした。アンコールは辻の得意なバッハでした。この方は記憶能力も優れていると思います。


ミッシェル・カミロのライブについてはこのブログでは取り上げずに、明日からワーグナーについて書く予定です。


(評価)★★★ 辻さんのヴァイオリンの音色は素晴らしいです

*勝手ながら5段階評価でレビューしております

★★★★★: 一生の記憶に残るレベルの超名演 

★★★★:大満足、年間ベスト10ノミネート対象

★★★: 満足、行って良かった公演

★★: 不満足、行かなければ良かった公演 

★: 話にならない休憩中に帰りたくなる公演 

曲目

ワーグナー:ジークフリート牧歌 
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64