日本を代表する指揮者・山田和樹さんが来シーズン(25年6月)にベルリン・フィルにデビューすることが決まり、さらにHimariさんがメータ指揮の公演にデビューするようですので、他の公演の概要も含めて、メモ書きしていきます。詳細の曲目は4/23に発表されます。



8月23日はペトレンコ指揮のブル5で開幕します。このプログラムで欧州ツアーしますので、これは聴きに行こうと思います。今年はブルックナー・イヤーなので、例年以上にブルックナーが充実しています。ブルックナー・シリーズはペトレンコの他に、パーヴォ(10月)、ヤノフスキ(10月)、ヤング(12月)、ネルソンス(12月)、そして12月19-21日のブロムシュテットの指揮で終わります。


大巨匠のバレンボイムとメータは、ブルックナーを担当せず、バレンボイムはブラームス、アルゲリッチとのベートーヴェン(10/24-26)とマーラー(5/8-10)、メータはシューベルト(3/20-22)を指揮します。3月のメータ指揮の公演には共演者の欄に「Himari」と書いてあり、あの日本のヴァイオリンのHimariさんですよね。演奏するのは、ヴィエニャフスキのヴァイオリン協奏曲第1番です。これはかなりの快挙ですが、Himariさんは25年7月にはスイス・ロマンド管の来日公演にも出演しますので、来年のHimariさんは大活躍ですね。一方で、来シーズンにラトルの名前が入っていないのは、かなり珍しいことで、筆者的にはとても残念です。さらに毎年指揮していたティーレマンも不在で、こう言う点で、ペトレンコ時代になってから、ベルリンまで行く機会が減りました。


注目の山田和樹は6/12-14にレスピーギ、武満、サン=サーンス「オルガン付き」を指揮しますが、この前週の6/5-7にジョン・ウィリアムズも指揮しますので、この期間に1週間以上ベルリンに滞在すると、金字塔的なコンサートを体験できるかもしれません。


他に来シーズンで日本のオケと関わりのある指揮者としては、N響編だと、9月のメナと1月のソヒエフ(マーラー)が指揮します。ソヒエフは1/9-11までベルリン、1/18からN響定期なので、お忙しいです。東響編では、9月にノット監督がマニアックな曲目、10月にオラモが指揮します。都響編では1月にハーディング、3月にフルシャがヤナーチェクなどを指揮します。


6月のシーズン・ラストはドゥダメルが担当し、ヴァルトビューネ・コンサートを指揮した後、大阪・関西万博に合わせて来日し、日本版のヴァルトビューネ・コンサートを開催予定と聞いております。


ブロムシュテット、バレンボイム、メータの大巨匠のコンサートはありますが、キャンセル・リスクがあります。しかし、ラトル、ティーレマン、シャイーのような名指揮者がないのが残念です。ウィーン・フィルの定期演奏会の指揮者の選定は若手を含めて慎重かつ保守的ですが、ベルリン・フィルは若手登用含めて実験的な企画が多いように思います。例えば、Himariさんのデビューは象徴的です。ペトレンコの登場回数は多いですが、いわゆるベルリン・フィルが得意な名曲が来シーズンも少ないようです。繰り返しになりますが、これが原因でベルリンに行く機会が減ります。あとは、ティーレマンのベルリン州立歌劇場の新シーズンにかかっています。