今日の夜はウィーン響のイースター時期の恒例コンサート《ウィーンの春》コンサートに行きました。このコンサートは日本ではあまり知られてませんが、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートや夏のシェーンブルン宮殿コンサートのように恒例イベントが必要と考えて、40年以上前からイースター時期にウィーン響が楽友協会でやっているコンサートです。ソリスト無しでやる場合もありますが、今回はディアナ・ダムラウが出演すると言うことで、ウィーンに来たわけです。《ウィーンの春》コンサートはこちらのテレビ局ORF3で生中継されていますが、日本でこのコンサートの模様を見たことはありませんが、過去のDVDやCDは発売されているようです。2週間前に変わった指揮者によるウィーン響の来日公演がありましたが↓、今日はそれとは異次元のコンサートを期待したいです。


ムジークフェライン内のステージ周りにはニューイヤーコンサートのような花が飾られています(花の装飾の量はニューイヤーの方がはるかに多いです)。今日のコンサートの曲数が多いので、特に印象に残った部分だけをコメント致します。


前半の1曲目はブルックナー生誕200周年記念なので、詩篇第150番です。ハレルヤの合唱はウィーン楽友協会合唱団で、ステージに埋まるほどの大編成です。ウクライナ🇺🇦国旗の色のドレスを来たダムラウの高音域の歌唱は天国を描いているように美しいです。指揮は「世界で最も忙しい指揮者」ランキングで5位のM.ホーネックで、この時の指揮ぶりはバレンボイムに似ています。3曲目はプーランク(1899-1963)のソプラノと合唱と管弦楽のための「グローリア」で、現代音楽ではありますが、不協和音がなく、聴き馴染みやすい楽曲です。オルフのカルミナ・ブラーナに似たようなテイストですが、1.グローリアは合唱を活かした壮大感のある曲で、3.ドミネ・デウスのダムラウのソロ歌唱のパートでは観客の携帯がずっと鳴っていて集中出来ませんでしたが、6.の終曲のダムラウの「アーメン」の優しく美しい歌唱は極上でした。


後半はポピュラーな曲になります。ズッペの「軽騎兵」のオケの演奏で、このオケは来日公演の演奏とは全く異なり、引き締まった演奏で、オケの演奏能力の高さを示してくれました。今日はオーストリアで生中継されている公演というのもありますが、指揮者やシチュエーションで変貌自在のオケですね。次の曲はブラームスの「ハンガリー舞曲」の第1番ですが、来日公演は第5番をアンコールで披露しましたが、こちらも今日の方が低音を重視した本格派のブラームスの響きでした。この後はブラームスの「愛の歌」ワルツから3曲取り上げられましたが、ブラームスの曲とは思えない明るい流麗なメロディで、この曲のCDを買いたくなりました。続いてウィーン音楽のレハールのオペレッタ「エヴァ」と「ジュディッタ」からの選曲で、ダムラウは演技をしながら、楽しそうに歌っていました。このレハールが1番ウィーンらしい曲で、日本ではなかなか聴くチャンスがないので、わざわざ来た価値がありました。レハールの最後の曲はワルツの名曲「金と銀」ですが、ホーネックはクライバーのような指揮ぶりで、切れ味と流麗さが融合していて、スマートなウィンナー・ワルツを披露していました。


コンサートのラストパートでは、ダムラウがプッチーニの「私のお父さん」を楽勝で綺麗に歌ってました。後半からのダムラウの衣装はオーストリア🇦🇹国旗の赤色のドレスになってます。

最後のカルミナ・ブラーナは、こちらも2週間前にバッティストーニ指揮・東京フィルの公演よりも、オケと合唱がパワフルで盛大に終わりました(やはり、東京フィルのVnはやる気がなく、ダメなオケだと思います)。ダムラウは昨年サントリーホールで来日公演しましたが、楽屋で話したら、今後の来日予定は今のところは無いそうです。


コンサート終了後は、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート同様に、観客がステージ周りの花の装飾を自由に持ち帰っていました↓。

(終演後に会場の花を持ち帰る習慣はニューイヤーコンサートと同じです)


(評価)★★★★ ウィーンの華やかさを感じるコンサートでした!

*勝手ながら5段階評価でレビューしております

★★★★★: 一生の記憶に残るレベルの超名演 

★★★★:大満足、年間ベスト10ノミネート対象

★★★: 満足、行って良かった公演

★★: 不満足、行かなければ良かった公演 

★: 話にならない休憩中に帰りたくなる公演 

指揮: マンフレンド・ホーネック

ソプラノ: ダイアナ・ダムラウ

ウィーン交響楽団

ウィーン楽友協会合唱団

PROGRAMME

INTERVAL