今日は東京春祭の上野水香さんのステージを観に上野に行きました。今年の春祭は20周年と言うことで、例年よりも公演ラインナップが充実していて、今日の上野さんのバレエの他、ブッフビンダーのベートーヴェン全集、ワーグナー・指環ガラなど見どころが多く、いつもは2回しか行かないのですが、今年は春祭には5回ほど行く予定です。今日は裏で新国立劇場の「トリスタンとイゾルデ」がありましたが、主役の2人が降板し、この時点で興味が無くなり、筆者のツレが昨年秋に紫綬褒章を受賞した上野水香さんのステージに行きたいということで、文化会館に来ました。3/17の新国立劇場のトリスタン(2日目)では主役の2人にブーイングが出たそうですが、これは当然でしょう。


筆者はバレエは苦手分野で、バレエ作品でストーリーがきちんと理解できるのは「白鳥の湖」と「ジゼル」くらいで、「くるみ割り人形」は音楽は秀逸ですが、何度観ても何を言いたいのか理解できないのです。そのため、コンサートで演奏される「春の祭典」「火の鳥」「ボレロ」あたりは観れますし、ベートーヴェンの「第九」やマーラーの交響曲第3番などをバレエ化されたものには興味があります。今日のブログはかなりの素人感想であることをご了承ください。


さて、46歳になる上野さんは容姿は抜群で、海外ダンサー並みの動きで、「カルメン」から堂々としていました。今日はバレエ公演でよくある録音による音楽で、生のオケの演奏が残念な点です。最初の「カルメン」組曲はバレエ用に1時間程度に編曲され、ストーリーもオペラとは異なります。ミカエラが出てこない点やスニガ(隊長)が最後まで出てくる点がわかりやすい違いでしょう。上野さんはカルメンの官能的な姿をうまく表現していたと思います。


2番目の「ドン・キホーテ」は、上野さんは出演しておらず、この手のバレエは冒頭に申し上げたように、このバレエについて理解出来なかったので、眠くなりました。その後、名曲「タイスの瞑想曲」のバレエですが、上野さんと柄本さんの2人で、うまく踊っていましたが、途中の拍手のタイミングが分からなかったです。やはり、バレエ素人で、すみません!周りのマダムたちは「綺麗ね」「美しいわね」と仰っていましたが、端的に言うと同じ感想です。


今日のメインはやはり、最後の「ボレロ」でしょう!ペジャール演出のボレロは、ギエムさんの公演を2回鑑賞したことがあります。上野さんはギエムのように長髪で、スタイルも似てると思われますので、遠くから観ると、見分けがつかないと思います。「赤い円卓」での踊りはギエムを彷彿とさせるものがあり、最初から最後まで緊張感のあるステージでした。赤い円卓での舞踊は神秘的な儀式のような風景と色彩感があります。次回はオケ演奏付きのバレエでお願いしたいです。


(評価)★★★  上野水香さんのボレロは圧巻でした

*勝手ながら5段階評価でレビューしております

★★★★★: 一生の記憶に残るレベルの超名演 

★★★★:大満足、年間ベスト10ノミネート対象

★★★: 満足、行って良かった公演

★★: 不満足、行かなければ良かった公演 

★: 話にならない休憩中に帰りたくなる公演

 



「カルメン」
カルメン: 上野 水香
ホセ: 柄本 弾
エスカミリオ: 宮川 新大
ツニガ: 鳥海 創
運命(牛): 政本 絵美(19日)、伝田 陽美(20日)


「ドン・キホーテ」(抜粋)
キトリ: 秋山 瑛(19日)、涌田美紀(20日)
バジル: 生方隆之介(19日)、池本祥真(20日)
メルセデス: 伝田 陽美(19日)、二瓶 加奈子(20日)
エスパーダ: 安村 圭太(19日)、後藤 健太朗(20日)
2人のキトリの友人─ヴァリエーション1: 三雲 友里加(19日)、加藤 くるみ(20日) 
2人のキトリの友人─ヴァリエーション2: 平木 菜子(19日)、中沢 恵理子(20日)


「タイス」(「マ・パヴロワ」より)
上野水香、柄本 弾


「ボレロ」
メロディ:上野水

◇上演時間:約2時間15分(休憩2回含む)