今年のイースターは3/31ですが、数週間後から、ヨーロッパ各地ではイースター音楽祭のシーズンになります。オペラが含まれる代表的なイースター音楽家は、ザルツブルク、バーデン・バーデン、ベルリンがトップ3の魅力度だと思います。今年はどれに行こうか迷っていました。ザルツブルクは、パッパーノ指揮、ローマのサンタ・チェチーリアで、目玉のオペラは「ラ・ジョコンダ」で、ネトレプコとカウフマンらが出演し、オペラ公演は完売、コンサートはカラヤン時代から続いているオケのコンサートと合唱付きのコンサートの組み合わせで、指揮はパッパーノとフルシャが担当し、こちらは残席が多いようです。バーデン・バーデンは、2013年からベルリン・フィルがレジデント・オーケストラとなっていて、ペトレンコ時代になってから、オペラはチャイコフスキーとR.シュトラウスもので、カラヤンやラトル時代のオペラよりは地味になってます。そのせいか、今回のオペラは「エレクトラ」(ペトレンコ指揮)ですが、ニーナ・ステンメが主演であるのにも関わらず、あと2週間後にプレミエなのに、現段階でこんなに空席があります↓。


バーデン・バーデンの劇場は2500席で、ドイツ最大の劇場と言われておりますので、満席は難しいのでしょうか。かつて、カラヤン時代からのベルリン・フィルによるイースター音楽祭のチケットは最高額で、入手困難だったのですが、こんなに空席があると赤字ではないでしょうか。バーデン・バーデンは高級別荘地ですが、国際的ブランドのホテルがないのと、食事が美味しくないので、滞在期間の過ごし方として心地よくないので、あまり人気がないと思われます。また、今年のベルリンの「フェスト・ターゲ」は、P.ジョルダン指揮・ベルリン国立歌劇場の「指環」が注目です。歌手陣は、コニエチュニー、シャーガー、カンペ、パーペ、ビリャゾン、ウルマナらバイロイト音楽祭以上のキャスティング・レベルです。いま、イースター音楽祭の渡航スケジュールを最終調整しておりまして、後日、ブログします。


また、数時間前に2025年のザルツブルクのイースター音楽祭の概要が発表されましたが、過去最低の魅力度です↓。

サロネン指揮、フィンランド放送響がレジデント・オーケストラで、オペラはムソルグスキーの「ホヴァーンシチナ」ですが、歌手は未発表です。これは、行く人は少なそうですね。かつてのザルツブルクのイースター音楽祭はカラヤン時代からの地元などのパトロンが多く、観客の衣装は、夏の音楽祭よりも豪華・個性的な方が目立っており、やや閉鎖的で社交会的な感じでしたが、最近では誰もがネットでチケットを買えるようになり、カラヤン時代からの独特の雰囲気は薄れつつあります。例えば、こんなインパクトのある衣装の淑女が会場には多くいました↓。


ザルツブルクのイースター音楽祭は2026年からベルリン・フィルが戻ってきますので、再来年以降が楽しみです。この音楽祭の芸術監督が元バイエルン州立歌劇場総監督のニコラス・バッハラーで、ペトレンコがまだ売れていない時にバイエルンの音楽監督に就任させた関係性なので、2026年にベルリン・フィルがザルツブルクに戻ってくるのはその縁からでしょう。

(ザルツブルク・イースター音楽祭芸術監督とK.ペトレンコ)

2026年のザルツブルクのイースター音楽祭には注目したいです。25年のバーテン・バーテンはペトレンコ指揮・ベルリンフィルによる「蝶々夫人」が予定されています。26年以降のバーテン・バーテンはマケラ指揮のコンセルトヘボウがレジデント・オーケストラになるので、バーテン・バーテンの人気はますます下がるでしょう。イースターは日本の年度末の時期でもあり、会社員の方が行くのは厳しいかもしれませんが、時間の余裕が出来たら、是非、訪問して頂きたいです。