2019年6月のベルリン州立歌劇場のトリスタンとイゾルデ


ワーグナー作品で別格な扱いなのは、リングとトリスタンなのですが、リングは昨年秋にティーレマン指揮のリングを鑑賞しましたが、トリスタンは2019年の6月のベルリン州立歌劇場での公演以来で、この時はバレンボイム指揮、シャーガー、カンペ、パーペ、ウルマナと完璧なキャスティングでした。


2019年の6月のベルリンは暑かったので、バレンボイムは半袖で指揮してました


筆者の近年のトリスタン鑑賞歴は、2014年のベルリン(バレンボイム指揮)、2015年のバイロイト(ティーレマン指揮)、2018年と2019年のベルリン(バレンボイム指揮)とハイクオリティなトリスタンをお陰様で鑑賞させて頂き、特に2019年のベルリンでのカンペの最後のイゾルデの歌唱は号泣するレベルでした。カンペは2014年のベルリンのトリスタンから聴いてますが、年々、演技まで深みと余裕ができてきて、涙を誘います。コロナが明けてから、ヨーロッパの歌劇場でトリスタンを公演するケースが少なく、そろそろトリスタンの中毒症状が出てきて、来年はトリスタンを必ず鑑賞したいと思っており、3月には新国立劇場と春祭で公演時期が被るので少し困るのですが、どの公演を鑑賞しようか迷ってます。日本ではアバド指揮のベルリンフィルによるトリスタンしか鑑賞していないので、日本のオケによるトリスタンは聴いたことがないのですが、私の友人のワグネリアンによると、新国立劇場のトルステン・ケールは必見と言われているので、いま、検討中です。トリスタンはオケの演奏にはかなりスタミナが必要なので、肉食系のドイツ系のオケは安定感がありますが、日本のオケですと、線の細い演奏になりがちなので、そこが懸念点です。春祭のトリスタンは巨匠ヤノフスキの指揮ですし、こちらもなかなかのキャスティングです。加えて、N響のゲストコンマスがキュッヒル教授が乗るかどうかがポイントです。キュッヒル教授の1番好きなワーグナーはトリスタンで、ベームやクライバーなどの名指揮者のトリスタンのコンマスを担当していただけあり、N響との化学反応が期待できます(今年のマイスタージンガーは、N響の若手の弦楽セクションが第3幕で力尽きていたと言われています)。春祭の時はベルリンでリングを鑑賞予定ですので、残念ながら、行けなそうなので、その補填として、来年夏のバイロイトのトリスタンは行くことにしました。ビシュコフ指揮で、シャーガーとニーランドが共演するので、これはかなり楽しみです。来年はトリスタンの豊作の年のようで、どれに行くか迷う点で、かなり贅沢な状況です。筆者はワグネリアンまではないのですが、当ブログをお読みの方で、ワグネリアンの方はもし宜しければ、おすすめをご教授頂きたいです。よろしくお願い申し上げます。


余談ですが、来年は筆者が1番来日して欲しいと思っているソプラノの歌手、プリティ・イェンデが来年2月に来日しますが、上述のワーグナー歌手のアニャ・カンペも再来日を切望する歌手の1人です。カンペはベルリン、ウィーン、バイエルンなどで引っ張りだこなので、新国立劇場でのオペラ出演は無理にしても、演奏会形式でイゾルデを歌って欲しいです。現代最高のイゾルデの歌い手だと個人的に思います。