昨日までザルツブルクにいましたが、今年は雨が多く、気温も低いのでコートとマフラーが必要な日が多かったです。日本人観光客の数は昨年並みであまり多くなく、ホテルのスタッフによると、アジア系では韓国、台湾からの観光客の方が多かったようです。


今年のザルツブルク音楽祭は期待以上に良かった公演が多かったです。音楽祭のテーマは、Die Zeit is aus den Fugen(今の世の中はたがが外れている)で、これは主軸となるオペラ「フィガロの結婚」や「マクベス」の演出でそのテーマが表現されていました。 特に良かったのが、新制作の「マクベス」とクルレンツィス指揮・ユートピア菅の教会コンサートで、「マクベス」の演出は超弩級で、このプロダクションが再演されるなら、必ずまた行きます。クルレンツィスはウクライナ戦争以降、難しい立場ですが、彼に寛容なウィーンとザルツブルクでの公演くらいしかありません。来年もクルレンツィスの公演を楽しみにしています。


ザルツブルクはモーツァルトの街ですが、世界の藤田真央が来年以降、モーツァルト・マチネやリサイタルでザルツブルクデビューして欲しいと思います。彼のモーツァルトが世界も認める絶品のモーツァルトであると思いますので、ザルツブルクの聴衆に驚かせて欲しいです。


ブログには書いてませんが、8/5と8/6の若手指揮者コンクール「カラヤン若手アワード」のコンサートに行きましたが、韓国のユン・ハンギョル(29歳)が優勝しました。

このコンクールの受賞者には、アイナルス・ラブギス、ロレンツォ・ヴィオッティらがいますが、ユン・ハンギョルの今後は注目されます。彼の指揮を最前列で観ましたが、指揮ぶりが柔らかく、説得のある指揮をしていました。このコンサートの様子は、↓の音楽祭のストリーミングサイトでも見れます。


過去最高のユーロ高・円安水準で、少し物価・ホテル代が高く感じるところがありましたが、筆者の予想ではユーロ円の高値は160円、それ以降は年内には140円台に落ちつくと考えます(あくまでも個人的見解です)。来年のザルツブルク音楽祭も楽しみで、公演ラインナップが発表されましたら、また見どころをブログで書きたいと思います。


ちなみに、ザルツブルク市内の観光で、ザルツブルク大聖堂は必須ですが、今年から入場料5ユーロが必要になりました。このため、大聖堂内の観光客は少し減ったような気がします。夏シーズン限定かもしれないですが、毎日12時に大聖堂でオルガンコンサートがあります。こちらの時間に行くと入場料9ユーロでオルガンが聴けます。この大聖堂には合計5台のオルガンがあり、大オルガンに加えて、前方左右に4台のオルガンがあります。このオルガンコンサートでは前方の3つのオルガンと後方の大オルガンの4台のオルガンの音色が楽しめます。

いま、イタリアのアマルフィ海岸にあるラヴェッロのホテルにいますが、ラヴェッロはワーグナーがパルジファルの第2幕を構想した庭園がある街ですが、夏は毎日晴れていて典型的な地中海性気候です。ここらへんのリゾートホテルは冬シーズンの5ヶ月以上閉鎖し、夏シーズンしか営業していないのが特徴です。ラヴェッロでは毎年の夏に音楽祭があり、今年はグリゴーロやアンティノグル指揮のフランクフルト放送響のコンサートがあるみたいですが、タイミングが合わないので行けないのが残念です。

アマルフィ海岸沿いにあるラヴェッロのホテル・カルーソ


ラヴェッロ音楽祭は屋外コンサートが多く、「世界一美しい音楽祭」と言われてます