ホーエンザルツブルク城と旧市街



欧州の夏の3大音楽祭であるバイロイト、ルツェルン、ザルツブルクの音楽面以外の部分、【アクセス】【ホテル】【観光】【食事】【ショッピング】の5つのカテゴリーで、私見を交えながら、5段階評価で徹底比較する試みですが、今回はオーストリアのザルツブルクを取り上げます。ザルツブルクには夏の音楽祭で30回以上、イースター音楽祭などを含めると40回は訪問しており、少しザルツブルク寄りになっているかもしれません。


【アクセス】★★★

ベストアクセス方法は、全日空の羽田・フランクフルト便の深夜発で、フランクフルト経由で、ザルツブルク空港に朝9時頃に到着します。空港から旧市街までタクシーで約10分です。ザルツブルク空港まで飛行機で行くのが1番快適ですが、有力なのはフランクフルト便くらいで、ロンドン線はヒースロー空港でないし、デュッセルドルフ便はLCCの場合もありますので、ご注意ください。ウィーンからザルツブルクまでオーストリア航空のフライトがはありましたが、今はないので、ウィーン空港の地下にある空港駅からザルツブルクまでの直行の電車で3時間かかります。ミュンヘン空港からは、タクシーで1時間半ですが、夏休み時期はアウトバーンの渋滞があると4時間くらいかかる場合もあります。荷物が多くなければ、ミュンヘン空港から電車でミュンヘン中央駅または東駅経由で、ザルツブルク中央駅のルートだと、2時間くらいです。


【ホテル】★★★★★

夏のザルツブルクは、音楽祭客だけでなく、登山などの観光客もいるので、最高級ホテルからリーズナブルなホテルまで多くのホテルがあります。祝祭大劇場から最も近い最高級ホテルのゴルデナーヒルシュは、床がミシミシ鳴るくらい古い造りなので、不便な部分があります。リニューアルした川沿いのホテルザッハやミラベル庭園の敷地内に接しているシェラトンの方がオススメです。その他、ホリデーインなどのリーズナブルなビジネスホテル系もあります。ザルツブルクは冬の五輪の招致活動をしていたので、この点の受け入れ体制は良いと思います。


【観光】★★★★★

夏の音楽祭の中では、ザルツブルクが観光面では最も充実していると思います。観光名所は、旧市街を中心に集中していて、モーツァルトの生家や大聖堂などクイックに名所を周ることができます。バスで20分くらいの郊外には、ヘルブルン宮殿やアニフの教会にはカラヤン先生のお墓があります。この教会の近くには、カラヤン先生の家とムーティさんの家があります。他にもザルツブルク郊外には「きよしこの夜」が生まれた教会などたくさんの名所がありますので、その他の観光名所は、旅行専門サイトに詳しく書かれております。

アニフにあるカラヤン先生のお墓


【食事】★★★★

食事目当てで行きたくなるくらいの圧倒的に美味しいレストランは、あまり無いですが、様々なジャンルのレストランがたくさんあります。この街の特徴として、美味しいお店と美味しくないお店の落差が激しいです。いわゆる観光客ばかりのお店は気をつけた方が良いでしょう。音楽祭期間中のディナータイムに予約無しで入れるレストランは微妙な可能性があります。祝祭大劇場のそばにあるBlaue Gansは音楽祭客に大人気で、オペラ鑑賞の後の予約だと2、3週間前の予約が必要です。このレストランは美味しいと思います。


【ショッピング】★★★★

小さい街ではありますが、有名ブランドショップは、ある程度ありますが、お店の規模は小さいです。観光客向けのお土産屋さんもありますが、ザルツブルクのお塩のお店やオーストリアワインのお店、最近では50種類以上のチーズが選べるお店など珍しいお店があるので、ショッピング散策も楽しめます。


ザルツブルクのチーズのお店(プロセスチーズなら日本に持ち込み可能です)



マニアックなクラフトジンを売っているリキュール店


【ザルツブルクでの思い出】

ザルツブルク音楽祭と言えば、ムーティさんです。モーツァルト没後200年の1991年に初めてのザルツブルク訪問ではムーティ指揮・ウィーンフィルのモーツァルト交響曲40,41番、また、ムーティさんのオペラ実演を最後に観た2017年のアイーダ(主演: ネトレプコ)は記憶に残る名演でした。夏のザルツブルク音楽祭では8月15日が特別な日(カラヤン先生が最後に予定されていたコンサートの日)とされていて、前音楽祭総裁曰く、毎年8月15日に音楽祭のハイライトになるようなラインナップにしているようです。この日のウィーン・フィルのコンサートはムーティさんが毎回担当しています。オペラの目玉公演は2017年まではムーティさんが担当していましたが、ここ最近は、 ウェルザー=メストさんが担当しており、ムーティさんからウェルザー=メストさんにシフトしてきています。

2017年8月のムーティ指揮の「アイーダ」


【総括】

これまで欧州の夏の音楽祭比較をしてきましたが、音楽面の充実度合い含めて、ザルツブルクが1番バランスが良いと思います。多くの著名アーティストがザルツブルクに毎年呼ばれたいのは、理解できます。ですが、夏のザルツブルク滞在で1番注意したいのは、急な雨です。典型的な山の天気で変わりやすく、例えば日中30度以上の暑い日は夕方以降に雷雨の場合があります。そのタイミングが読めず、傘を持たないまま祝祭劇場でオペラを観た後、どしゃ降りの雨と言うことを何度も経験しており、こまめに天気予報を見て、怪しい場合は傘を持参することおすすめします。急な雨が降った時、祝祭劇場まで傘を持ってきてくれるサービスがあるのは、ザッハホテルくらいでしょうか。