バイロイトの祝祭劇場


バイロイト音楽祭から2/11がチケット申込の締切日というリマインドのメールがきました。10年以上前はバイロイト音楽祭のチケットは争奪戦で、数年以上待ちの人がほとんどでしたが、今では基本はオンライン申込で、チケットも直前でも余っていることがあり、昔に比べてだいぶ行きやすくなった印象があります。そこで、今回は、欧州の夏の3大音楽祭であるバイロイト、ルツェルン、ザルツブルクの音楽面以外の部分、【アクセス】【ホテル】【観光】【食事】【ショッピング】の5つのカテゴリーで、私見を交えながら、5段階評価で徹底比較したいと思います。あらかじめ、ワグネリアンの方はご覧にならない方が良いかもしれません。それでは、バイロイトを見ていきましょう。


【アクセス】★★★

欧州の夏の音楽祭で、リゾート地や地方都市で行われるものは、日本からの直行便でアクセスできないので、不便なところが多いのですが、バイロイトはブレゲンツやラヴェンナなどに比べれば良い方でしょう。1番おすすめアクセスは、全日空の羽田深夜発のフランクフルト行きで、ルフトハンザに乗り継いでニュルンベルク空港まで行き、空港からタクシー(€180-200で1時間程度)が1番早くて楽なコースだと思います。ニュルンベルク空港へはロンドン、パリ、アムステルダムからの便もあるようですが、フランクフルト線の便数が多いので、フランクフルト線をおすすめします。空港からは、ニュルンベルク中央駅までタクシーまたは地下鉄、ニュルンベルク中央駅からはローカル仕様の電車で1時間かけてバイロイト中央駅、中央駅からホテルまでタクシーと言うコースもありますが、荷物が多い場合はこのコースはしんどいと思います。ミュンヘンから鉄道もありますが、ミュンヘン空港からミュンヘン中央駅までが40分、ミュンヘン中央駅からニュルンベルク中央駅までが約2時間ですから、これも少ししんどいと思います。フランクフルトからも鉄道で2時間弱でニュルンベルクに着きます。ニュルンベルクからバイロイトまでのタクシーは、運転手さんと相談すれば、金額交渉は可能でした(^^)。また、時差ボケ解消でニュルンベルクで散策・1泊してからバイロイトへ行くのも良いと思います。


【ホテル】★★

バイロイトは音楽祭の街なのに、ホテルはあまり期待できないです。五つ星以上のホテルがほとんどなく、四つ星でも一部の部屋にエアコンがついておらず、昨今の猛暑に耐えることが難しいですし、シーツなどを毎日交換してくれないホテルもあります。ポーターのいるホテルはあまり見たことありませんし、国際的な高級ホテルブランドがないのが難点です。ホテルから祝祭歌劇場まで歩ける距離のホテルが少ないので、ホテル専用バスで往復するパターンが多いです。第二次世界大戦の激戦地だったためか、具体的にどこのホテルとは言えませんが、バイロイトの高級ホテルに泊まっていたら、夜に出てきてしまったんです。私はこれ以来、バイロイトに行くのはやめました(2016年以降は行ってません)。また、タクシーでニュルンベルクまで1時間なので、ニュルンベルクのシェラトンやル・メリディアンに宿泊するのもありだと思います。こちらのホテルでは、夜に出たことありません。


【観光】★★

ワーグナーゆかりの観光地が多く、ワグネリアンは楽しめると思いますが、観光しても1日またはゆっくりでも1日半で終わる程度で、見どころは少ないと思います。辺境伯歌劇場、ワーグナー博物館、新王宮くらいでしょうか。ルツェルンのような湖と山々、ザルツブルクのようなお城と川のような絶景ポイントが見当たらないのも残念です。コロナ前までは、バイロイトのCD屋で出演歌手のサイン会などがあり、オペラファンは昼間も楽しめるようになってました。


【食事】★★

典型的なドイツの街で、レストランもドイツ系が多いですが、あまり洗練されていない料理です。オススメはOskarあたりでしょうか、他のレストランは記憶に残ってません。音楽祭がある日は、長い休憩時間に祝祭歌劇場併設のレストランでの食事が良いでしょう。こちらの方は金額は高いですが、まだ洗練されています。


【ショッピング】★

音楽祭関連グッズやワーグナーグッズを除くと、あまりバイロイトで買いたいものは見つかりません。ブランド店舗はほとんど無いし、面白そうな小物品屋さんのような気の利いたお店はないので、お土産などは別の街で買った方が良いです。本当は大好物のニュルンベルク・ソーセージでも買いたいのですが、日本の空港検疫でアウトですから、残念です。 


【バイロイトでの思い出】

かつてのバイロイト音楽祭のチケットは取りにくく、1998年のレヴァイン指揮のリングで初めて訪問しましたが、近年ではインターネットで簡単にチケットを取ることができるようになりました。思い出深い公演は、2015年のティーレマン指揮のトリスタン(新制作)でした。とても秀逸な音楽だったのですが、劇場内が暑すぎて、みんなジャケットを脱いでいましたが、それでも不快指数は高かったです。また、ホテルで夜にお化けが出たので、翌日、ザルツブルクに急いで向かいました(^^)。これ以降、バイロイトを再訪することはなくなりました。ティーレマンさんが解任されて、指揮者や歌手のラインナップにインパクトがなく、演出もブーイングものが多いので、避けてしまいますし、そのため、最近ではチケットが取りやすくなったのだと思います。


【総括】

クラシックファンであるならば、一度はバイロイト独自の音響含めて楽しんでもらいたいと思いますが、私の場合はお化け問題で敬遠してしまいますが、毎年のように訪問されているワグネリアンの方の過ごし方をヒアリングしてから、行かれた方が良いでしょう。

2015年のトリスタンとイゾルデ


開演前の演奏(劇場の真ん中の席の方は、これを聴いてると入るのが大変なので、観ない人も多いです)


以上、バイロイトの歩き方でした。読んでくださり、ありがとうございました😊