今回は、クラシック界で最もチケット入手困難なウィーン・フィルのニューイヤーコンサートのチケット入手方法についてご紹介したいと思います。このタイトルで検索すると、大抵はチケットエージェントのサイトだったり、情報の内容が古いです。そこで、昨日までウィーンに滞在していたので、最新かつ決定的なチケット入手方法をお伝えできればと思います。


1. 一番知られていて、オーソドックスな方法は、ウィーン・フィルの公式サイトですが、このサイトの抽選で、ジルベスター含めて当選した人を聞いたことがないです。というのも、ニューイヤーの平土間の席の半分以上は、招待席および関係者席です。平土間の4列目から16列目までが招待および関係者席との説もありますが、3日前のニューイヤーでは18列目にメインスポンサーのロレックスのレセプション受付女性らが座ってました。平土間の中央エリアは世界の国家元首レベルの方もいて、近くには多くのSPが指定席とドア付近、さらにはバルコニー席にもトランシーバーを付けてるSPが数人います。ということは、ムジークフェラインの1700席中の半分以上は一般抽選ではない席で、毎年50,000人が抽選にエントリーすると聞いてますので、ペア応募だと仮定すると、約400倍以上の当選確率になります。さらに、座席カテゴリー毎に応募することになるので、席数の少ないカテゴリーはさらに高倍率になります。また、カテゴリー1以外の席は基本的にステージがあまり良く見えない席ですので、こちらもオススメしないです。




(カテゴリー1と2以外は見切れや音響面で良くないです)


ですが、今年度で言うと、2022年の12月からウィーン・フィルのサイトで12/30と12/31の良席がネットで売られていることがありましたので、年末年始にウィーンに行かれることが決まっていれば、ウィーン・フィルのサイトのカレンダーをこまめに見ると定価で買えるかもしれません。私も12月中旬に12/31のジルベスターの前方席を€380の定価で買いました。ちなみに、ニューイヤーコンサートは公式サイトで買えることはないです。


2. 最も可能性が高く、リーズナブルな価格で取れるのが、日本ウィーンフィル友の会に入会して、毎年の抽選にエントリーすることです。2022年のバレンボイムさんの時は、コロナの影響もあり、募集人数を割っていたので、入会して応募すれば誰でも取れました。問題は、会員1人あたり1席しか取れないことと、ニューイヤーとジルベスターのセット券で買うことが条件なのですが、どちらかが立ち見席なのです。立ち見席は眺めは良いと言われますが、開場の数時間前から並ぶと聞いてますし、そもそもニューイヤーの公演時間は休憩入れて3時間以上ありますので、学生のような若い人でないと、立ち見はオススメできないです。また、指定席は平土間の20列目から26列目あたりのいずれかの席がアサインされますので、テレビで映り込む可能性が低い席になります。




3. 年末年始のウィーンのホテルや飛行機代は高いので早めに予約した方がリーズナブルであり、直前になればなるほど、休みが取れるヨーロッパ人が押し寄せますので、ホテル代が高くなります。そうなると、早めにニューイヤーのチケットを確保したいところですが、一番割高なのは、団体ツアーや日本のチケット代理店経由でしょう(カテゴリー1で50万円以上くらいします)。この方法は、最も高いですし、良い席がどうか選べないので、オススメしないですが、この方法でニューイヤーを聴かれている日本人の方が多いです。

そこで、最も確実なのは、ウィーンのインペリアルなどのホテルの優秀なコンセルジュにチケットを依頼してみることです。相場で言うと、例えばカテゴリー1の定価が€1200のところ、€3000程度です。この方法が良いのは、席を選べることです。ホテルのコンセルジュとメールのやりとりで、席番を聞くことができます。また、チケット代の決済がクレジットカードで払えます。

もっと、より安く買うには、ホテルのコンセルジュが問い合わせているウィーンのチケットエージェントと直接やり取りすることですが、私もこのエージェントの人を知ってますが、直接やるのは安心感が薄れます。

*なお、2022/23年のウィーンの年末年始のホテルの宿泊代は高く、マリオットで€800から、ブリストルは€1200から、インペリアルは€3000からが最低価格でした。インペリアルのニューイヤーコンサート直前のロビーは、海外からの国賓やVIPらが多く待ち合わせしており、ヨーロッパの階級社会を実感できます。


4. 最後にこの方法が一番良いのではないかと思うのは、12/31の午後あたりに、ウィーンフィルのチケットオフィス(Kärntner Ring 12 )あたりにウロウロしている転売屋さんから買うことです。彼らも人間で、大晦日の夕方にかけてチケットを売り焦ります。大晦日の夜は早く帰宅してパーティでカウントダウンしたいのでしょう。私が数人の転売屋と立ち話をしたところ、12/31の夕方時点ですが、カテゴリー1の14列目の席で定価€1200のチケットが€1800で良いと言うのです。この席は先で書いた関係者席なので、一般には入手不可能な席なのに、こんな値段で売ってるのは、お得だと思いました。以上、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートのチケットの入手方法をまとめてみました。


他に、ウィーン・フィルの楽団員経由でチケット入手される方もいますが、ウィーン・フィルの幹部メンバーと相当仲良しになれば可能性はあるでしょう。ウィーンのチケット市場は転売含めてかなりダークな部分もあります。先の転売屋さんがホテルのコンセルジュと色々と相談しているところも見たことがあります。その点で、何とかなるとも言えると思います。以上、皆さまのご参考になれば、幸いです。