古巣、月刊ショパン(2008年4月号)
でツィメルマンの表紙&ピアニストOnedayの撮影をした、
乃木坂のフレンチレストラン『FEU』
が、
先日発行された2011年のミシュランガイドで1つ星を獲得しました
このロケ、忘れもしません…。
ついにツィメルマンの表紙&ピアニストOnedayの取材OKが出たのは良かったけど、
「場所とか時間とか決められるのイヤ~」
というツィメルマン様のご意向に沿い、前日に言い渡されたロケの集合は
「16時に六本木のどっか」。
…ロケハンをすることすらできず、
まあ彼行きつけの場所でもあれば撮影も融通がきくのかもしれないと思っていざお会いすると、
「さ、今日はどこ連れてってくれんの??(ワクワク)」 みたいなね…。
そこから大慌てで、友人がシェフをするこのお店に電話をし、
夜の営業オープンまでの時間、バーカウンターで撮影をさせてもらうことになったのでした。
そのうえ、いざ写真撮ろうとしたら、
「僕は普段ほとんどお酒を飲まない。
発言だけでなく、写真も含めてすべてが何かのメッセージになる。
背景にお酒の瓶が写っていたら間違ったイメージになるのでイヤっ!」
とか言い出すし…。まあ、確かにおっしゃってることは正しい…。
本当に、後にも先にもこれ以上慌てて走り回ったロケははないかな。
ライターさんは伊熊よし子さんだったな。お騒がせしました…。
ツィメルマン様の話はさておき…
こちらのFEUで出てくるお料理は、いつでも本当にすばらしいです。
フレンチでありながら、重すぎず、しっかりと繊細な味わいがあって、目にも実に美しい。
お皿が出てくるたびに「うぉ~」ってなります
中村オーナーがこの場所にオープンして昨年で30周年、
今の松本浩之シェフは、七代目の料理長です。
シェフとは、FEUの前のお店にいらした時からの知り合いなのですが、
目にした自然の風景をお皿に移してゆく高い想像力、
こだわり始めたことを調べつくす探求心、絶妙なバランス感覚で味を調整する天性の才能。
そして、目標を持ったら有言実行。
でも、悔しいとか、なんとしても実現したいというがむしゃらな部分をあからさまに露呈することなく、
とても静かに努力をする方。すごいです。
普段お話をしていると、
ほわーっ、にこにこーっとした多少ドリーミングなおもしろい方なのですがねぇ
音楽と一緒で、お料理も人柄が出るのかもしれませんね。
とても芯がしっかりしているけれど、食べる人に寄り添った優しい味がする料理です。
「シェフ」という職種は、
とてもアーティスティックなセンスが求められるお仕事でありながら
どうしても経営や人間関係にも気を配らなくてはならない。
抱えている葛藤が、編集者としての自分ととても相通じるものを感じることもありました。
松本シェフは、今はご自分の力を充分に発揮できる、老舗のすばらしいお店に巡り合って、
選ばれるべくして、ミシュランの星付きレストランにも選ばれて、
自分がこんなことを言うのもなんですが、なんだかとても安心したのでした…。
自分もがんばらなくちゃいけないな。
…というわけで、ツイメルマン様の座ったカウンター、
一緒に写真に写っているオブジェ(実は女体モチーフらしい)なども見られますので、
特別な日にお食事をする場所をお探しでしたら、ぜひ一度FEUへ行ってみてください!
(ランチタイムは手ごろな値段のコースもあるので、まずは気楽にランチからというのもいいかも)
しばらくはちょっと予約がとりにくいかもしれませんが。